2020 Fiscal Year Research-status Report
Implicit causality and pronoun resolution during L2 sentence comprehension
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20K13127
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
細田 雅也 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00825490)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英語教育 / 文理解 / 潜在的因果性バイアス / 代名詞処理 / 代名詞解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,英文読解中の代名詞解釈に,動詞の潜在的因果性バイアス (implicit causality bias: ICバイアス) がどの程度利用されているのかを検証する実証実験を行った。 実験では,日本人大学生に,ICバイアスが代名詞の性と一致する (e.g., Ken respected Sara because she...),もしくは不一致 (e.g., Sara respected Ken because she...) の英文を複数,自己ペースで読んでもらい,代名詞とそれに続く領域の読解時間を測定した。読解時間を,一致不一致の条件間で統計的に比較した結果,(a) ICバイアスは代名詞解釈にリアルタイムで影響していること,さらに,(b) その影響は文処理の初期段階で発生していることが確認された。現在はこの結果を論文としてまとめている最中である。 さらに,この結果を発展させるために,視線計測機器 (アイトラッカー) を導入し,これを用いた視線計測実験を計画している。次年度以降はこの実験を,可能であれば複数回行い,ICバイアスの代名詞処理への利用について,より時間的,空間的解像度の高いデータを得る。 最終的には,研究期間内に,外国語文処理におけるICバイアスの影響を包括的に考察した論文を作成し,国際誌へ採択させることを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の基礎的研究として,英文読解中のICバイアス利用に関する実験を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,導入したアイトラッカーを用いた視線計測実験を行う予定である。そのために,まず複数人を対象に予備的実験を行い,その結果に基づき,アイトラッカーの調整や,実験マテリアルの修正を行う。 その後,日本人大学生数十名を対象に,視線計測実験を行う。実験結果は,今年度に得られた結果と合わせて論文としてまとめ,関連分野の国際誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,予定していた出張や学会への参加がなくなったため。今年度に行った実験に基づく論文の投稿費用,英文校正費として使用する予定である。
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