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2023 Fiscal Year Research-status Report

A Study Aiming to Reduce Disparities by the Commodification of Language Education: Through Fairness and Comparison between Languages

Research Project

Project/Area Number 20K13129
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

瀬尾 匡輝  茨城大学, 人文社会科学野, 准教授 (20761026)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords言語教育の商品化 / 新自由主義 / 格差の是正 / 商品化 / 格差 / 言語教育 / 公平性
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、2022年度に収集した544名のアンケート調査を分析し、その結果を9月にオーストラリア・シドニーで行われた「豪州日本研究学会研究大会 /国際繋生語大会」で発表するとともに、2024年3月に刊行された『グローバル教育研究』で公表した。調査の結果、(1)英語学習者は英語に対して知的価値を強く見出していた一方で、韓国語学習者は韓国語に対して情的価値を強く見出していたこと、(2)中国語学習者は中国語に対して韓国語学習者ほどの情的価値は見出してはいなかったが、それなりに情的価値を見出していたこと、(3)日本語学習者は日本語に対して知的価値も情的価値も見出してはいなかったことが明らかになった。本結果をもとに、(1)英語においては学校教育の現場で知的価値が見いだされやすい環境があること、(2)韓国語においては昨今の世界的な K-pop や韓国コスメへの人気の高まりがベトナム国内でも強く影響していること、(3)日本文化や日本製品へのアコガレが失われつつあること、(4)ベトナムにある日系企業で働くベトナム人社員が日本語を話す必要はあまりなく、むしろ英語でのコミュニケーション能力が求められていることから、日本語を学ぶことが必ずしも個人の人的資本を増大させることにはつながっていないことを指摘した。
加えて、2022年度に英語・中国語・韓国語・日本語の学習者18名と教師9名を対象に行ったインタビュー調査を分析し、その結果を8月にアメリカ・ウィスコンシン州マディソン市で行われる「2024年日本語教育国際研究大会」で発表する。調査の結果、大学とセンター(民間の語学教育機関)の両方で言語を学ぶ学習者と言語を教える教師はともにセンターに対して大学の補完的な役割を見出しており、両者が切っても切れない関係にあることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、ベトナムをフィールドに調査を行うが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、研究開始からの2年間(2020年度~2021年度)は、現地に赴き調査をすることができなかった。2023年2月~3月にベトナムに1か月滞在し、インタビューデータを集めることができたが、現在分析を進めており、当初の予定よりも遅れている。

Strategy for Future Research Activity

2022年度に収集したインタビューデータの分析を引き続き行い、学習者が各言語に対してどのような価値を見出しているのか質的な観点から明らかにしていきたい。また、教師、他国籍企業で働くベトナム人社員及び人事担当者への分析を深め、それらの価値に対し、それぞれの言語プログラムが言語学習をどのように商品として売り出しているのかを探り、言語学習が盛んなベトナムの言語学習の商品化の現状を明らかにしたい。

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、研究開始からの2年間(2020年度~2021年度)は、現地に赴き調査をすることができなかったため、当初の研究計画の予定よりも遅れてしまった。そのため、最終的な成果をまとめ切ることができておらず、次年度に補助事業期間の延長をしている。2024年度は研究の成果を国際大会で発表する予定であり、そのための予算に使用をする。

  • Research Products

    (8 results)

All 2024 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Int'l Joint Research] ハイフォン大学(ベトナム)

    • Country Name
      VIET NAM
    • Counterpart Institution
      ハイフォン大学
  • [Journal Article] ベトナム・ハイフォン市における言語学習の価値 ―英語・中国語・韓国語・日本語を比較して―2024

    • Author(s)
      瀬尾匡輝・小西達也
    • Journal Title

      グローバル教育研究

      Volume: 7 Pages: 41-51

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] オンラインによる短期海外研修で参加学生は互いに関係性を築くことができるのか? ―ベトナムと日本の大学間で行った COIL 型の海外研修プログラムの実践から2024

    • Author(s)
      瀬尾匡輝 , 小西達也 , グエン・ティ・タイン・ヴァン , ゴー・ティ・トゥ・チャン
    • Journal Title

      The Journal of Worldwide Education

      Volume: 19 Pages: 16-36

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] ベトナム短期海外研修に参加した学生の内面的な変化―BEVI を用いた分析から―2024

    • Author(s)
      瀬尾匡輝・小西達也
    • Organizer
      言語文化教育研究学会 第10回年次大会
  • [Presentation] 課題論文:「オンラインによる短期海外研修に参加した学生達の内面的な変化―BEVI及びインタビューによる調査を用いた分析から―」『留学生交流・指導研究』25号,pp. 63-76.について語る2024

    • Author(s)
      瀬尾匡輝・小西達也
    • Organizer
      第17回 COISANオンライン読書会:ジャーナル掲載論文著者と語ろう
    • Invited
  • [Presentation] ベトナムの地方都市における英語・中国語・韓国語・日本語学習の価値―言語学習の商品化における「知的価値」と「情的価値」の観点から2023

    • Author(s)
      瀬尾匡輝・小西達也
    • Organizer
      豪州日本研究学会研究大会 /国際繋生語大会
  • [Presentation] 効果的なオンラインによる短期海外研修とは―BEVIを用いた分析から2つのベトナムでの実践をふりかえる2023

    • Author(s)
      瀬尾匡輝・小西達也
    • Organizer
      第10回CASTEL/J国際大会
  • [Book] ケースで考える! 誰も教えてくれない日本語教育の現場2023

    • Author(s)
      瀬尾匡輝・瀬尾悠希子
    • Total Pages
      296
    • Publisher
      ココ出版

URL: 

Published: 2024-12-25  

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