2020 Fiscal Year Research-status Report
日本の検定教科書とELTコースブックにおける関係代名詞の提示に関する研究
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20K13135
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 有加 広島大学, 外国語教育研究センター, 助教 (60825222)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コーパス / ELTコースブック / 検定教科書 / 関係代名詞 / CEFR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,日本人にとって習得に時間がかかると言われている関係代名詞の使用に注目し,日本の中学・高校で使われている検定教科書と,ヨーロッパで出版されているCEFR準拠のELTコースブックを用い,関係代名詞がどのように導入・説明・練習されているかを比較・分析することを目的とする。 令和2年度は,CEFR準拠のELTコースブックコーパス作成のため,29冊のコースブックのテキストデータ化を中心に行った。手順としては,CEFR準拠のコースブックを選定し,OCRを搭載したスキャナーでデータを取り込み,編集可能なテキスト形式に変換した上で,画像の削除および正確にスキャンされなかった箇所の修正を手作業で行った。これらのデータを元に,1) 関係代名詞がどのように導入・説明されているか(表層形についての説明,制限用法・非制限用法の説明,省略についての説明など),2) どのような練習問題が含まれているか(選択問題,穴埋め問題,2文結合など)を示すアノテーションの付与を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた,CEFR準拠のELTコースブックのテキストデータ化を順調に進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,CEFR準拠のELTコースブック内の,関係代名詞の導入・説明・練習問題が含まれるセクションにアノテーションを付与する作業を継続して進める。扱われている例文に関しても,関係代名詞の表層形・機能・埋め込み位置による種類ごとにアノテーションを付与する。また,日本の検定教科書のテキストデータ化を同時進行し,完了次第,ELTコースブックと同様に関係代名詞の情報を付与する。さらに,文法のセクションだけでなく,教科書全体でどのようなインプットを得られるようになっているかを把握するため,教科書内で使用されている関係代名詞を含む文を抽出し,表層形・機能・埋め込み位置を示すアノテーションを付与し、集計する。
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Causes of Carryover |
国内外で行われる学会への参加を考えていたが,新型コロナウイルスの影響により旅費を使う機会がなかったことで,次年度使用額が発生した。これらは,今後の情報収集のための旅費,及び複数人でのコーパス修正作業における謝金として使用する予定である。
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