2021 Fiscal Year Research-status Report
インポライトネスに関する日韓対照研究:攻撃的発話に対する反応
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20K13138
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河 正一 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (20812150)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 攻撃的発話 / 社会的価値 / 反応 / 不愉快度 / インポライトネス |
Outline of Annual Research Achievements |
河正一・金美順・大上博右(2021)「攻撃的発話に対する反応―高校生調査を中心に―」『日本韓国研究』1号、92-107. 高校生を対象に攻撃的発話がどの程度、相手の社会的価値を脅かすか、すなわち攻撃的発話に対する不愉快度と反応を調査し分析した。分析結果、攻撃的発話に対する不愉快度と反応には、社会的力関係より聴者の責任の有無という要因が大きく作用され、聴者の責任のない場合がより不愉快度が高い傾向が見られた。対象別による不愉快度は、「所属」>「外見」>「能力」>「性格」であり、すべての項目において女性の不愉快度が高く現れた。不愉快度が高くなるにつれ、A(沈黙)の反応が一定の割合で現れると共に、その反応が多様化された。また、「性格」「能力」「所属」の場合は、聴者の責任の有無によって、一定の反応のパターンが見られた。しかし、「外見」では、聴者の責任の有無に関わらず、多様な反応が見られ、とりわけ、女性のほうで重い反応(C 解明・言い訳、D 反駁)が示された。また、「所属」では、聴者の責任のある場合は、社会的力関係によって、先輩「B(謝罪)」→友達「D(反駁)」→後輩「E(批判)」という段階的な反応が示され、不愉快度と反応において一定の相関関係が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本と韓国における中学生・高校生・大学生調査が終わり、まず高校生調査を分析した。日本の調査結果を日本韓国研究会に投稿し、掲載された(河正一・金美順・大上博右(2021)「攻撃的発話に対する反応―高校生調査を中心に―」)。そして、日本と韓国の高校生調査を対照研究の観点から分析し、韓国日本文化言語学会に4月下旬、投稿する予定である。その他の調査も順次発表及び投稿を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
大学生調査を分析し、6月の朝鮮語教育学会で発表する予定である。また中学生調査は、11月の日本韓国語教育学会で発表する。その後、それぞれの研究を日本韓国研究会及び日本韓国語教育学会に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナによる韓国現地調査及び発表ができなかったためである。
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