2020 Fiscal Year Research-status Report
誘出模倣課題による語用論的定型表現パフォーマンステストと測定・指導システム開発
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20K13139
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Research Institution | Hokkaido Musashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
大木 七帆 北海道武蔵女子短期大学, その他部局等, 講師 (90846734)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 語用論的能力 / 定型表現知識 / 誘出模倣課題 / パフォーマンステスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,外国語学習環境の外国語学習者の語用論的能力測定方法の開発と語用論的能力を向上させる学習システムのあり方を探求することを目的としている。具体的には,(1)英語学習者の語用論的定型表現(依頼・拒否・不同意・提案)産出能力測定のための語用論的定型表現誘出模倣課題を学習管理システム上で開発し,(2)開発した誘出模倣課題を用いた実証的研究を行い,(3)その結果から,コンピューター上で段階的なメタ語用論的フィードバックを行うための予備調査を行うことを目的とする。これらの予備調査,実証研究を通して,語用論的能力の指導と測定を高等学校,大学教育レベルで広く普及させることを目指している。 2020年度は,(1)の調査方法となる語用論的定型表現産出能力の測定を目的とした誘出模倣課題(予備版)の開発を行い,予備調査を行なった。なお,予備調査は新型コロナウィルス感染状況により,当初予定よりも少ない調査参加者数(13名)となってしまった。予備調査の測定は,①適切な定型表現を用いる知識を問う多肢選択型のテスト,②定型表現を含む目標文の録音を行う誘出模倣課題から成る。予備調査は,開発した2つのテストを用いて大学生英語学習者を対象に学習管理システムを用いない環境で行なった。その結果については,広島修道大学研究プロジェクト(ひろみら領域研究助成,「日本人英語学習者の語用論的能力測定」)で報告し,今後の研究方法,調査実施についての検討を行なった。検討を経て,測定の項目,採点方法の変更を行い,2021年度からの本調査で用いる語用論的定型表現誘出模倣課題を作成した。さらに,本研究の調査を学習管理システムに実装するための検討を行い,学習管理システム上のモジュール設計を行なった。次年度は,開発する学習管理システム上のモジュールを用いて本研究の(2)の目的である実証的研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染状況拡大により,対面および大人数のデータ収集・複数評価者による採点作業が困難な状況であったため,大規模な調査ができなかった。そのため,研究全体の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」に記載の予備調査の結果を受け,学習管理システム上で調査を実施できるモジュールを開発する。そのため,テスト項目の改訂,校正,録音を再度行う。開発する調査モジュールはオンライン学習管理システム上で広く公開し,調査協力者を募り,調査を実施する予定である。オンラインでの調査を可能とはしているが,新型コロナウィルスの感染拡大状況よっては調査実施環境の条件が整わず,研究計画に遅れが出る可能性もある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により,対面でのテストデータの取得や,複数人による同時採点作業が困難な状況であったことが原因の一つである。今後は,英語母語話者による英文校正,録音,また録音機能の搭載された学習管理システムに音声ファイルを搭載する予定である。テストデータをオンライン上で取得し分析を行なった上で,その成果を学会で発表,論文として投稿する予定である。
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