2022 Fiscal Year Annual Research Report
誘出模倣課題による語用論的定型表現パフォーマンステストと測定・指導システム開発
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20K13139
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Research Institution | Hokkaido Musashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
大木 七帆 北海道武蔵女子短期大学, その他部局等, 講師 (90846734)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 語用論的能力 / 語用論的定型表現知識 / 誘出模倣課題 / パフォーマンステスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,外国語学習環境における外国語学習者の語用論的能力測定方法の開発と語用論的能力を向上させる学習システムのあり方を探求することを目的としている。 具体的には,(1)英語学習者の語用論的定型表現(依頼・拒否・不同意・提案)産出能力測定のための語用論的定型表現誘出模倣課題を学習管理システム上で開発し,(2)開発した誘出模倣課題を用いた実証的研究を行い,(3)その結果から,コンピューター上で段階的なメタ語用論的フィードバックを行うための予備調査を行うことを目的とする。これらの予備調査,実証研究を通して,語用論的能力の指導と測定を高等学校,大学教育レベルで広く普及させることを目指している。
2021年度に実施した実証研究(本調査)では,外国語学習環境における英語学習者の語用論的定型表現知識測定方法の開発を目的とし,オンライン誘出模倣課題モジュールを用いて日本人大学生英語学習者68名の録音データを収集した。日本人大学英語教員3名が録音データの採点,評価を行い,その結果から,パフォーマンステストとしての信頼性,妥当性,実用性を検証した。この調査を基に,2022年度は日本人短期大学生英語学習者17名を対象に,オンライン誘出模倣課題モジュールを用いたメタ語用論的フィードバックを伴う指導を行った。事前,指導事後,遅延事後測定の結果,参加者の語用論的定型表現知識は事前,指導事後および事前,遅延事後テスト間において向上が見られた。指導事後と遅延事後テストの結果には有意差がみられなかったものの,参加者数の少なさや指導時間の短さにもかかわらず一定の効果が確認されたことは,測定だけではなく,誘出模倣課題の語用論的指導への応用可能性を支持できるものである。現在,実証研究,指導研究ともに論文を投稿中である。
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Research Products
(4 results)