2022 Fiscal Year Annual Research Report
医療福祉系大学におけるEMI(英語を媒介とする授業)実施状況調査
Project/Area Number |
20K13140
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
斎藤 隆枝 国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (20827802)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療系大学 / EMI / 媒介としての英語 / 実施状況 |
Outline of Annual Research Achievements |
EMI(English as a Medium of Instruction:媒介としての英語)は「人口の大部分の人々が英語を第一言語としない国や区域において(英語以外の)専門科目の教授に英語を用いること(Macaro, 2018)」と定義され,科目内容を英語で学ぶことで自然と英語力の向上を目指すことを目的として,英語を第一言語としない多くの国の高等教育機関で導入されている.本研究では英語で専門科目を教授するEMIの実践報告が比較的少ない医療系大学を対象にEMI実施状況を調査し,現状と課題を把握することで,看護師,理学療法士,作業療法士など対人援助職を目指す大学生を対象としたEMI実施の可能性を探ることを目的とした. 2021年に全国の医療系大学287校を対象に質問紙調査をオンラインで実施した結果,94校から有効データを収集した(回収率32.8%) .結果,大部分の医療系大学(78校,83.0%)でEMIは未実施であった.その理由には「これまでEMI実施について検討したことがなかった」が最も多く,次いで「学生の内容理解不足を懸念」,「EMIを担当する教員確保が困難」が理由に挙げられた.一方でEMIを開講している大学は14校(14.9%)であり,その大部分が国際看護論関連の科目であった. 医学研究,情報収集,診察及び面接等を英語で行うためのEMP(English for Medical Purposes:医学目的の英語)が浸透し,多くの医学部ではEMIの導入が進む.一方で4年間で国家資格の合格を目指す医療系大学では医学部と同じ理由でEMI実施のコンセンサスを得ることは容易ではない.対人援助職が必要とする英語力とは何かを改めて明らかにすることが必要である.研究最終年度にはこの旨を論文にまとめ,研究の総括とした.
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