2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of the English listening test with background noise
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20K13141
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤田 亮子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00756281)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リスニング / ノイズ / 第二言語習得 / テスト開発 / 背景音 |
Outline of Annual Research Achievements |
バックグラウンドノイズを伴う英語リスニングテストを開発することを、本研究の目的とする。既存の英語リスニングテストの音声において、バックグラウンドノイズは、ほぼ皆無である。過去に作成されたノイズテストは多くが、学習者のリスニングに負荷をかけることを目的としていて、現実の音声に近づけるために作成されたものではない。よって、本研究ではノイズを伴う音声を使用したリスニングテストを開発し、従来のノイズなしのリスニングテストと同じように、学習者の聴解力を測定できるかを検証する。 今年度は、バックグラウンド付き英語リスニングテストの作成を行った。作成基準は、(1)ノイズの種類の選定、(2)ノイズの度合い、(3)問題形式、(4)問題の難易度の4つを考慮した。(1)ノイズの種類の選定に関しては、ショッピングモール、オフィス、カフェ、道路などの背景音を、会話文、またはモノローグの内容に合うように選定した。また、人工的なノイズと比較するために、多数の話者が一度に話しているMulti talker音も用意した。(2)ノイズの度合いについては、度合いの大きさを比較するために、SNR(Signal to Noise Ratio:信号と雑音の比)の指標を用いて、SNR=5とSNR=15に設定した。(3)問題形式と(4)問題の難易度については、内容理解測定のための多肢選択問題と音声認識測定のためのディクテーション問題とした。多肢選択問題は、会話文、モノローグにそれぞれ短文、長文を用いた。 以上の4つの基準から、多肢選択問題について、会話文8個(短文5、長文3)、モノローグ7個(短文4、長文3)の計15個の音声ファイルをSNR5、SNR15、Multi talker音でそれぞれ作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において、ノイズを伴う音声マテリアルの作成は、非常に重要である。マテリアル作成に際して、実験協力者と協議を重ねてノイズの度合いやノイズの種類を選定したため、時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したノイズテストを用いて、熟達度の異なる協力者に対してパイロットスタディーを行う。そのデータを基にノイズテストに改良を加える。 次に、60名の実験協力者に対して、ノイズリスニングテストと、ノイズなしの従来の形式のリスニングテストを実施する。両テストの結果の相関を分析し、ノイズリスニングテストが、熟達度を適切に測定できているかを検証する。
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Causes of Carryover |
学会がオンラインになったため、旅費が不要になったこと。コロナの影響で実験実施が困難になり、協力者への謝金が不要になったことが、次年度使用額が生じた理由である。 使用計画として、論文投稿費、今年度実施予定の実験協力者謝金に使用する予定である。
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