2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of the English listening test with background noise
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20K13141
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤田 亮子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00756281)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ノイズ / リスニング / 第二言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
英語学習者が教室外で実際に必要とされるリスニング力を測定するために、バックグラウンドノイズを伴う英語リスニングテストを開発することを、本研究の目的とする。昨年度は、自然なノイズであってもノイズが付加されることで学習者のリスニング理解度が低下することが分かった。今年度はノイズの種類を追加して、エネルギーマスキングと情報マスキングに焦点を当て、実験を実施した。 空港のアナウンス(情報マスキング)、カフェのノイズとmulti-talkerノイズ(エネルギーマスキング)、計3 種類のノイズがリスニング理解に与える影響を検証した。リスニングテストはHearing in Noise Test (HINT) (Nilson & Soli, et al. 1994)を参考にして作成した。リスニング方略の使用はMetacognitive Awareness Listening Questionnaire (MALQ)(Goh, 2006)を使用した。 日本人大学生50名がノイズリスニングテストを受け、MALQとノイズに関するアンケートに回答した。結果、学習者はエネルギーマスキングノイズよりも情報マスキングノイズでリスニング理解度が低下した。また、ノイズの種類に関わらず、ノイズレベルが高くなるにつれて、リスニング理解度は低下した。リスニング方略の使用がノイズ下でのリスニング理解へ与える影響はわずかであることが示された。アンケートの結果、学習者はmulti-talkerノイズが一番聞き取りににくいと感じていた。また、ノイズなしの音声と、カフェのノイズの音声のテスト結果の間には、有意で弱い正の相関があり、ノイズ付き音声でのリスニングテストが、リスニングテストとして応用できることが示唆された。 どのノイズレベルにおいても、エネルギーマスキングよりも情報マスキングによって、学習者のリスニング理解度がより下がることが示された。また、ノイズテストの理解度にリスニング方略の影響は見られなかったため、他の学習者要因を探る必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、前期にノイズリスニングテストの作成、後期に実験の実施をした。後期はさらに質的研究を行うために、発話プロトコル法を用いた実験を、数名の実験協力者に対して個別に実施した。更なる実験協力者の確保と質的分析に時間を要するため、現在論文執筆に向けて準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究で、ノイズの種類の違いが学習者のリスニング理解に影響が見られることが分かった。リスニング理解に影響を与える要因をさらに検証するため、発話プロトコル法・面接を実施する予定である。また、学習者のリスニングテストに適した、ノイズリスニングテストの改訂版を作成、実施する。
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Causes of Carryover |
学会がオンラインになったため、旅費が不要になったことが、次年度使用額が生じ た主な理由である。使用計画として、論文投稿費、今年度実施予定の実験協力者謝金に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)