2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of the English listening test with background noise
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20K13141
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤田 亮子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00756281)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リスニング / ノイズ / 第二言語習得 / 発話プロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
ノイズを伴う音声を使用したリスニングテストを開発し、学習者の聴解力を測定することを本研究の目的とする。これまでの研究で、ノイズレベルが高くなるにつれて学習者のリスニング理解度が低下し、ノイズの種類によっても学習者のリスニング理解度が変化することが分かった。 昨年度までの研究では量的な研究を実施したため、今年度は少人数を対象にして質的研究を行い、個々の学習者のノイズ下でのリスニング理解過程を検証した。日本人英語学習者8名を対象として、発話プロトコル法を用いた実験を実施した。学習者はノイズの強弱・種類の異なるリスニング音声を聞いて、リスニング音声の内容と理解に至った過程を口頭で回答した。リスニングの種類は、情報マスキングとして、空港のアナウンスが入った音声、エネルギーマスキングとして、カフェのノイズとmulti-talkerノイズを用いた。リスニングテストはHearing in Noise Test (HINT) (Nilson & Soli, et al. 1994)を参考にし、語彙の難易度が低い単語を含む短文を使用した。 結果、ノイズの影響は学習者によって異なり、対象のリスニング音声に集中をしていると、ノイズの影響をあまり感じない学習者がいる一方、ノイズによってリスニングが大きく影響を受ける、と感じる学習者も見られた。 実施したリスニング理解度測定方法が、短文のディクテーション方式であったため、全体の内容理解よりも個々の単語の理解に焦点を当てた傾向が見られた。長文リスニングや長い会話調のリスニング問題の場合は、ノイズの影響が異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は昨年度に引き続き、主に発話プロトコル法を用いて実験を行い、ノイズつきリスニング理解過程の質的検証を行った。質的データの分析に時間を要し、追加データも必要となったため、来年度さらに実験を実施する。実験結果の一部は国際学会で発表済みであり、論文投稿に向け準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究で、ノイズが学習者のリスニング理解に与える影響を質的・量的に検証した。ノイズの度合いと種類の違いが学習者のリスニング理解に影響を与え、個人的要因も関係することが分かった。個人的要因について、熟達度の関係もさらに検証し、ノイズつきリスニングテスト開発を完了させる予定である。
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Causes of Carryover |
協力者謝金が少なくなったことと、論文投稿費用が不要であったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。翌年度が最終年度であるため、研究協力者謝礼、学会旅費、論文投稿費に充足する予定である。
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