2020 Fiscal Year Research-status Report
Does morphological awareness training enhance EFL learners' abilities to infer meaning of unknown words
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20K13148
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
市川 新剛 名古屋学院大学, 外国語学部, 准教授 (40634415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 第二言語 / 語彙 / 形態素意識 / 形態素知識 / 意味推測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、形態素に関するトレーニングを行うことで、英語を第二言語として学習する学習者の単語の意味推測能力が向上するかについて調査することである。初年度である2020年度の目標は、予備調査と本調査の一部の実施であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により実施ができなかったため、調査計画の変更を行った。 変更点の一つは、関連する先行研究の整理である。形態素に関するトレーニングを行った研究を計画書提出以降に発表されたものも含めてレビューを行い、トレーニングの内容、使用されたテスト、トレーニングの効果などを分析した。その結果は、論文として投稿した。 調査計画のもう一つの変更点は、先行研究のレビューを踏まえた上でのテストの変更である。本研究では、事前事後テストとして、形態素の知識を測定する予定である。しかし、形態素の知識を測るテストは、本研究の調査目的や対象者に適したテストが見つからなかったため、著者自身でテストを作成しようと計画していた。先行研究をレビューしていたところ、Zhang & Zhu (2020) で使用されていたThe Word Part Level Test (Sasao & Webb, 2015)は、本研究に適していると判断し、これを用いることとした。また、同じく事前事後テストで用いる単語の意味推測スキルを測定するテストについても、自作ではなく、Ryan & Koda (2018)で用いられたテストを一部変更して用いることとした。これらの変更により、精度の高い測定が可能になったことは本年度の収穫であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、初年度は予備調査と本調査の一部(4クラス中の2クラスでの調査)を実施することが目標であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により実行できなかった。その理由は調査を行う授業が対面からオンライン講義に移行してしまったためである。本研究で実施する語彙や形態素の知識を問うテストは、マークシートでの実施を予定していたため、オンライン講義ではテストが実施できず、調査は中止となった。
ただ、研究実績の概要でも述べた通り、関連する先行研究をレビューし、調査に必要なテストを吟味する機会を得られたことは研究を進める上では有益であったと考える。したがって、研究の進捗状況としては当初の計画より遅れているが、研究の質を向上させるという意味において当初より良い方向に進んだと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
新学期では対象としていた講義の対面授業が再開され、予定している調査は今のところ順調に進んでいるが、新型コロナ感染症の感染拡大に伴い、再びオンライン授業へと切り変わろうとしている。本研究で用いるテストは、当初予定していたマークシート式ではなくオンラインで実施できる形式に変更を行ったため、たとえオンライン授業が続いたとしても、今年度内に予定していた4クラスでのデータ収集を終えることが見込まれる。しかし、オンラインでの調査は、被験者がネットで答えを調べてしまう可能性があるなど望ましい実施方法ではなく、遅くとも事後テストが実施されるまでには対面授業が再開されることを祈るばかりである。
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Causes of Carryover |
研究で使用するテストは当初、マークシート式にすることを計画し、研究費はそのためのマークシート用紙の印刷代やマークシートを読み込むためのスキャナーを購入に充てる予定であった。しかし、対面授業の中止でテストが実施できる状況ではなくなったため、購入を見送った。その後、テストをオンラインで実施できるように変更し、マークシートおよびスキャナーの購入そのものが不要になった。また、参加を予定していた学会が中止またはオンラインでの実施となったため、渡航費等が必要なくなったことも未使用額が生じた理由である。 次年度使用額は、データ分析に関するワークショップ参加やそれに関する図書の購入、および学会参加費、論文執筆のための英文校閲費等に使用する予定である。
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