2021 Fiscal Year Research-status Report
Does morphological awareness training enhance EFL learners' abilities to infer meaning of unknown words
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20K13148
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
市川 新剛 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40634415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 第二言語でのリーディング / 形態素知識 / 意味推測 / 語彙力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、形態素の意味や文脈情報の利用の仕方を学ぶことで、学習者が未知語の意味推測ができるようになるかを確かめることを目的とする。二年目となる2021年度の目標は、学習者にトレーニングを実施し、その効果を検証することであった。検証には同じ講義科目の2クラス(計52名)を用い、1クラスを実験群、もう1クラスを対照群とするquasi-experimentalデザインを採用した。トレーニングは9週間に渡って行い、その前後に事前・事後テストを実施して効果を検証している。トレーニングの結果、実験群は対照群に比べて形態素の知識に関するテストで高いスコアを示したものの、意味推測テストでは両群のスコアに統計的に有意な差はみられなかった。この結果については、2022年3月に行われたアメリカ応用言語学会(AAAL2022)にて発表した。 トレーニング効果がみられなかったのは想定外ではあったが、先行研究の中にも本研究同様にトレーニング効果がみられなかった研究が存在する。未知語の意味推測タスクにおいて、単語や単文ではなく、長文のタスクを用いた場合にトレーニング効果がみられないと報告する研究(e.g., Zhang & Zou, 2020)があることから、タスクの種類による影響が考えられる。また、トレーニングはオンラインでの実施であった点も考慮する必要がある。オンラインの実施では、学習者の理解度をモニターしづらく、学習者同士で話し合わせて形態素の意味を考えるといった協働学習を取り入れることもできなかった。 本年度の後半は前半同様に2クラスを使ってデータ収集を行った。現在その結果を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データを集め分析し、その結果を学会にて発表できたことは予定通りであったが、上記の通り、予想に反した結果であったため、データの再分析や結果の解釈に時間がかかったことが主な原因である。当初の予定では、2021年度の後半には論文投稿も行うことになっていたが、次年度以降に持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の計画は2021年度に収集したデータの分析および論文投稿を行うことである。2021年度後半のデータは現在分析中だが、前半のデータとあわせて論文投稿を目指す。また、後半のデータでもトレーニング効果が観察できなかった場合、テストに修正を加えて引き続き検証を行う。これまで意味推測のテストには130語ほどの英文を読むタスクを用いてきたが、文脈を利用した意味推測スキルの向上は9週間という短期間では効果を観測できない可能性があるため、単語・単文のタスクを含めることを検討する。これに加えてトレーニング内容も見直しを行う。これまではオンライン講義が中心であったが、2022年度は対面授業を中心に見込めることもあり、協働学習を組み入れたトレーニング実施も検討する。
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Causes of Carryover |
分析に想定以上の時間がかかり、当初予定していた論文投稿ができなかったため、英文校正を利用しなかったことで次年度使用額が生じた。この費用は2022年度前半に論文執筆を行う際に使用する予定である。
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