2022 Fiscal Year Research-status Report
Does morphological awareness training enhance EFL learners' abilities to infer meaning of unknown words
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20K13148
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
市川 新剛 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40634415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 第二言語でのリーディング / 形態素知識 / 意味推測 / 語彙力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の予定はデータの再収集と分析および論文投稿であった。2021年度に行った実験では、トレーニングの効果が得られなかったことを踏まえ、トレーニング内容に修正を加えて再度実験が行われた。2021年度に行った実験では、形態素が推測の役に立たない単語も含めてトレーニングを行っていたが、そのような単語を含めた指導を行ったことが、トレーニング効果の低減につながった可能性を考慮し、2022年度は形態素情報が意味推測に役立つケースのみをトレーニングの対象とした。また、前回は文脈情報を利用するタスクが比較的少なく、文脈情報と形態素の意味情報を統合する未知語推測の上で重要なスキルの練習が不足していると考えられたため、これらのタスクの回数を増加させた。これらに加え、2022年度には対面での授業が再開されたこともあり、オンライン講義中にはやりづらかった学生同士が相談しあって意味推測を行う協働学習が取り入れられた。上記のようにトレーニング内容を修正して実施したところ、実験群の意味推測スキルがトレーニング後に大きく向上し、統制群を含めた分析の結果、トレーニングの有意な効果があることがわかった。この結果は、形態素知識の指導が語彙推測スキルの向上に寄与する可能性を示唆する。一方で、先行研究では学習者の語彙知識が未知語の意味推測スキルに影響を与えると指摘されていたが、本研究では語彙知識とトレーニング効果の間に関係がみられなかった。これらの研究内容をまとめ、論文執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、実験内容の見直しとデータ収集及び分析を行ったが、執筆に予想以上に時間がかかってしまい、投稿までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の計画は執筆中の論文の投稿を行うことである。また、学会発表についても検討する。現在執筆中の研究では、学習者の語彙知識がトレーニングの効果に影響を与えないという先行研究とは一致しない結果となった。その点を解明することは2023年度内に達成することは難しいと思われるが、今後の目標として、語彙テストの改良とより幅広い熟達度の学習者からデータを取ることを検討する。
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Causes of Carryover |
論文の執筆が遅れ、英文校正費の使用が発生しなかったこと及び学会発表を行わなかったことによる。 2023年度4月に英文校正費は使用済みであり、残額は学会参加費に使用する予定である。
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