2023 Fiscal Year Annual Research Report
Does morphological awareness training enhance EFL learners' abilities to infer meaning of unknown words
Project/Area Number |
20K13148
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
市川 新剛 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40634415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 第二言語でのリーディング / 形態素知識 / 意味推測 / 語彙力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、英語を第二言語として学ぶ学習者に形態素(接頭辞)の機能と意味を教え、文脈情報を活用させることが、未習の単語の意味推測能力を向上させるかについて調べることである。 初年度は、関連する先行研究をレビューし、その調査結果をまとめた。また、形態素の知識を測定するテストとしてThe Word Part Level Test (Sasao & Webb, 2015)を、単語の意味推測スキルを測定するテストとしてMiller & Koda (2018)を使用することに決定した。 二年目は、学習者に9週間にわたるトレーニングを実施し、その効果を検証した。実験群(21名)の学生に形態素に関するトレーニングを行い統制群(20名)と比較したところ、形態素の知識に関するテストでは実験群が対照群に比べて高いスコアを示したが、意味推測テストでは有意な差が見られなかった。トレーニング効果を測る意味推測テストには、形態素知識が有効に働くものと、そうでない問題を混在させていたが、後者はL2学習者には難度が高いと判断された。この研究はAAALにて学会発表した。 この結果を受けて、三年目には、トレーニング内容の見直しと意味推測テストに修正を加えて実施した。その結果、対照群の学生は形態素知識で4.1%、語彙推測で3.7%向上したのに対し、トレーニングプログラムを受けた実験群は形態素知識で10.5%、語彙推測で13.4%向上した。また、語彙知識とトレーニング効果の関係は認められなかった。これらの結果は、形態素に基づくトレーニングが成人EFL学習者の語彙推測スキルを向上させる効果的な方法であることを示している。 最終年度は、これらの研究内容をまとめ、論文執筆を行った。投稿先からは論文の修正を提案されたため、修正後再投稿を行う予定である。
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