2020 Fiscal Year Research-status Report
The Relationship Between the Vocabulary Size of Japanese Learners of French and French Teaching-Learning
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20K13150
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
松川 雄哉 南山大学, 外国語学部, 講師 (50803871)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国語教育 / フランス語教育 / 語彙習得 / 語彙サイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本調査では、松川(2020)で準備した「日仏バイリンガル版語彙サイズテスト」から10000語レベルのセクションを取り除き、Batista & Horst (2016)の方法論に倣って新たに1000語と4000語レベルのセクションを追加した。そうすることで、5000語レベルまでの語彙サイズを1000語毎で測定できる新しいフランス語語彙サイズテスト(以下、TTVmod)を作成し、このテストをフランス語を主専攻とする49名の学生を対象にオンラインで実施した。このテストで得られた結果を分析したところ、TTVmodのある程度高い信頼性が確認された。また、本調査に参加した学習者のフランス語語彙サイズを分析したところ、松川(2020)の「日仏バイリンガル版語彙サイズテスト」よりも詳細な語彙サイズの情報を得られることがわかった。 語彙サイズ研究は、これまで英語教育の分野で盛んに行われていたが、Batistat & Horst (2016)が、フランス語学習者の語彙サイズを測定するために語彙サイズテスト(TTV)を開発したことで、フランス語語彙サイズ研究の基盤が確立された。しかし日本人フランス語学習者を対象とした語彙サイズテストの研究はほとんどなされていなかった。日本のフランス語学習者が、あるレベルに達するのにどのような語彙をどのくらい覚えたらよいかという指標を確立することは、フランス語学習者だけでなく教師にとっても有益である。また語彙サイズテストによって判明したフランス語学習者の語彙サイズに応じて、授業内容を調整したり、学習者の語彙学習をサポートするなどといった対策も今後可能になるという点において、本研究成果の意義は大きいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、フランス語語彙サイズテストを紙面で実施する予定であったが、2020年度は、新型コロナウィルスの感染拡大により、学生を部屋に集めて同テストを受けてもらうことができなくなってしまった。そのため、同テストをオンラインで受けてもらうための準備に時間がかかってしまった。また、本調査への参加協力者を募ったり、調査参加への同意書を得たりといった手続きを遠隔で行った結果、通常よりも参加者への対応に時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、フランス語語彙サイズテストをオンラインで実施したため、今後は紙面とオンライン両方での対応が可能となった。また2020年度の経験を活かし、2021年度以降は、よりスムーズに参加者の対応やテストの実施、データ分析ができると考えている。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大よる影響で、調査への参加者数が多く集めることができなかったため、「人件費・謝金」の支出が少なかった。さらに、出張ができなかったため、旅費が使えなかった点も次年度使用額が生じた大きな理由である。
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