2023 Fiscal Year Annual Research Report
Big-Fish-Little-Pond Effect in University English Education: The Appropriateness of Student Placement Based on Proficiency Level
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20K13152
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
関谷 弘毅 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (60759843)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 井の中の蛙効果 / 傾聴技法 / 質問技法 / スピーキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本の英語教育における「井の中の蛙効果」を検討することであった。2022年度の段階で、新型コロナウィルスの影響で国内外の計画されていた調査を実施する見通しが立たなかったため、研究目的の一部及び方法を変更する必要が生じた。具体的には、「井の中の蛙効果」を克服するにあたり、学習者のやり取りの中でより効果的な学習の実現を目指し、傾聴技法と質問技法の教示に着目して検討を重ねてきた。
2023年度は、そのプロセスの検討に絞り、スピーチプロダクションモデル (Levelt, 1989) における、Conceptualizer(「何を話すのか」を担当するモジュール)と Formulator(「どのように話すのか」を担当するモジュール)のどちらに注意を向けるかということが、話の複雑さや文法に対する認識にどのように影響するかを比較した。その結果、Formulator に焦点を当てた場合、学習者の発話の複雑さが顕著に向上し、文法の重要性に対する意識も強化されることが確認された。
さらに別の実験授業で、傾聴技法の教示に加え、スピーキング時の発話の正確さと情報量のどちらを強調するかという点が、学習者の言語表現にどのような影響を与えるかを調べた。実験は、正確さを重視するグループ、情報量を重視するグループ、そして情報量と傾聴技法を組み合わせたグループに分けて行われた。その結果、情報量を重視することが特に流暢さを向上させる一方で、正確さは著しく変わらないことが分かった。また、傾聴技法の教示が組み込まれた場合、さらに流暢さが増すことが示された。
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