2022 Fiscal Year Research-status Report
アーカイブズの保存と利用に適用可能な外部資金制度のモデル構築研究
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20K13158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
元 ナミ 東京大学, 文書館, 助教 (10783920)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アーカイブズ / 公文書館 / 助成制度 / 基金獲得 / 予算確保 / NLHF / NHPRC / NEH |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域のアーカイブズの保存と利用を促進するための外部資金補助制度の適用可能なモデルを構築することである。特に、予算と人員の不足に苦しむ地方自治体において、公文書を含む地域の歴史と文化、生活に関わる記録資料を体系的に受け入れ、管理するための資金獲得の必要性を検討し、その上で外部資金補助制度の骨組みとなるモデルを提示する。 本年度は海外におけるアーカイブズ事業関連の外部資金制度の骨子を分析するために、おもにインターネット情報検索と文献調査を行った。主に、イングランドの国営宝くじ 文化遺産基金(National Lottery Heritage Fund, NLHF)、アメリカの国家歴史出版物記録委員会助成(National Historical Publications and Records Commission Grant, NHPRCG) 及び全米人文科学基金(National Endowment for the Humanities, NEH)がアーカイブズ分野に交付する助成金の内容と、その制度を利用する地方公文書館及びアーカイブズ関係機関の申請・交付条件などを調査した。 同時に隣国の韓国において、地域内の歴史資料と文化遺産としてコミュニティのアーカイブズ資料を収集、保存する地方公文書館の事例と外部資金制度の適用事例について調査し、学会で研究報告を行った。韓国の場合、地方公文書館において自治体が作成・取得する公文書類のみならず、コミュニティのアーカイブズ資料を積極的に収集・保存する事業を展開する自治体が登場している。しかし、自治体が設立した公文書館が行うアーカイブズ事業に利用できる外部助成制度が特には存在せず、関連する分野の助成金申請・利用実績もほとんど存在しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、予定していた海外における実地調査及びインタビュー調査に支障をきたしたが、国内外の公文書館等のホームページでの情報収集、文献調査、成果報告などはおおむね順調に成果を上げている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた国内外における助成機関アーカイブズ支援担当部門を訪問するインタビュー調査とオンライン会議を並行しながら、これまでの調査結果から得られた成果を踏まえ、地域のアーカイブズの保存と利用を促進するための外部資金補助制度の適用可能性を提示する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた海外での実地調査が新型コロナウイルス感染症拡大防止のため見送りになった。次年度使用額についてはすでに海外学会研究報告で使用する見込みとなっており、2023年5月以降、所属機関における新型コロナウイルス感染症による活動制限指針レベルが引き下がっているため、見送っていた海外調査を実施することとする。
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Research Products
(5 results)