2020 Fiscal Year Research-status Report
Oumi, Katata history from the medieval time to modern day: Research of the local shipping guild archives
Project/Area Number |
20K13188
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
高橋 大樹 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (90837428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 船道郷士 / 堅田衆 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では研究目的の達成に向け、①船道郷士居初家文書および堅田地域伝来の史料の調査を通じた目録等の研究資源化、②史料の生成・伝来過程に関する分析に基づいて中・近世琵琶湖辺地域社会の様相を明らかにすることを課題としている。 2020年度は、関連史料の調査を重点的に進めた。概要は次の2点である (1)各機関分蔵の居初家文書のうち、大津市歴史博物館・滋賀県立琵琶湖博物館所蔵分の原本調査をおこない、約7割程度の写真撮影を完了し、目録作成に着手した。また、関連する堅田地域史料の調査として、今堅田区有文書、衣川村文書、本福寺文書(以上、1000点以上)、祥瑞寺保管地方史料(約200点)の概要調査を実施し(一部撮影)、併せて保全作業を行なった。 (2)船道仲間の中で記録されてきた「留帳」の未解読分(寛政12年〔1800〕~慶応4年〔1868〕間の18冊分)の解読に着手し、あわせて大津百艘船との争論記録、村方争論に関する古記録も下読みを完了することができた。 以上の調査等により、基礎史料の確認が進み、分析のための情報を蓄積することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主たる調査研究の対象となる居初家文書の原本調査についてはおおむね順調に進み、仮目録作成は完了し、3割程度の撮影を残すのみとなった。次年度は、目録完備するとともに、研究課題に関わる史料分析・論点の整理を行なう必要がある。 また、堅田地域関連史料の調査については、新出史料が想像以上に発見され、新たな情報や論点を確認できた一方で、未だ概要調査も着手できていない史料群もある。さらに新型コロナウイルス感染対策のため、それら原本調査だけでなく、史料検討会や東京大学史料編纂所等への調査も断念した。この状況が続くようであれば、研究計画の一部見直しも必要となってくるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、居初家文書・関連史料の調査・整理を進めるとともに、滋賀県下の研究機関(大津市歴史博物館・滋賀大学経済学部附属史料館・滋賀県立安土城考古博物館)に所蔵されている堅田関係史料についての調査も進める。また、船道郷士諸色留帳のほかに、分析にかかる重点史料の解読を進め、特に史料群の生成・伝来に関する論稿の執筆に取り掛かる。 さらに、すでに依頼を受けている堅田地元での講演・講座(2021年5月・6月開講)において、堅田地域史料それぞれの性格や分析、船道郷士(堅田衆)の存在形態など、研究成果の地元還元を念頭に情報発信をしていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で中止・延期となった令和2年度分の調査出張やアルバイト作業を、令和3年度後半に重点的に実施する。
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