2021 Fiscal Year Research-status Report
多宗教社会とムスリム女性：脱植民地化期のマレー語月刊誌『カラム』の記事分析より
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20K13204
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| Research Institution | Tsuda University |
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Principal Investigator |
光成 歩 津田塾大学, 学芸学部, 講師 (60863842)
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2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | イスラム教 / シンガポール / 東南アジア / ムスリム女性 / 多宗教社会 / 雑誌 / ジェンダー / マレーシア |
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| Outline of Annual Research Achievements |
脱植民地化期にあたる1950年代から1960年代のムスリム女性の社会的地位の変化について分析を進めた。
(1)ライフヒストリー分析
戦後の混乱期を経た社会や経済の活性化と、独立を見据えた政治参加の盛り上がりを背景に、ムスリム男女の活動領域が大きく広がった1950年代から1960年代に、ムスリム女性が直面していた課題を検討した。具体的には、1950年代に青年期を迎えたムスリム女性のライフヒストリーに着目し、植民地期、太平洋戦争および日本軍政期、脱植民地化期のそれぞれの時期における教育や経済活動や直面した課題について分析した。分析の成果は論文「アイシャ・ガニの少女時代：英領期マラヤのムスリム社会におけるジェンダー規範と葛藤」（光成歩・山本博之編著『カラムの時代ーマレー・イスラム世界における移動とジェンダー規範』京都大学地域研究研究所、2022年、pp.27-37。）にまとめた。
(2)ジャウィ月刊誌『カラム』の分析の成果発表
第12回国際マレーシア学会においてパネル"Envisioning New Society: Jawi Periodical and Bilingual Literature in Pre-Independence Malaya and Singapore"を組織し、「千一問」の分類とジェンダー関係のトピックの位置付けについての分析結果を報告した。報告とディスカッションを通じ、マレーシアを中心とする海外の研究者とジャウィ文献を用いた社会情勢の分析方法や成果を共有するとともに、研究分野や関心の近い研究者と親交を深めた。報告 "The Worldview and Challenges of Malay Muslims in the Age of Nation-Building: Classification and Annotation of '1001 Questions'"は、学会のプロシーディングスに掲載された。また、報告は国際マレーシア学会により優秀報告者賞として表彰された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査は行えていないが、オンラインで開催された国際学会への参加など、国際的な研究サークルでの成果発表、情報交換、ネットワーク作りが進んだ。
「千一問」の分析も予定通り進んでいる。
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| Strategy for Future Research Activity |
自伝や伝記を活用したライフヒストリー分析を継続し、脱植民地化期のムスリム女性の社会的地位についての分析を進め、論文を執筆する。
また、『カラム』のコラム「千一問」に関する研究成果をまとめ、出版による成果発表を進める。
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| Causes of Carryover |
概ね計画通り使用したが、物品の市場価格変動により差額が生じた。次年度の物品費として計画している。
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