2023 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀後半ハプスブルク帝国と諸領邦との相互認識―ガリツィアを事例に―
Project/Area Number |
20K13216
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
佐伯 彩 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (20840242)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガリツィア / 近代中東欧史 / 近代西洋史 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたり、5月に新型コロナ・ウィルス感染症が5類感染症に移行した。去年までの研究を踏まえて、アゲノル・ゴウホフスキに関する研究について、メール上でポーランドの先行研究者や留学中の研究者仲間と研究交流を進めた。また、これまでほとんど海外への渡航による史料収集ができなかったため、3年間渡航を断念していたが、8月にオーストリア、ポーランド・チェコに渡航した。まず、オーストリアではオーストリア国立文書館とオーストリア国立図書館で資料を収集した。その後、プラハへ行きプラハの国立図書館で史料収集した後、ポーランドのクラクフにある国立文書館、ヤギェウォ大学附属図書館で史料、参考文献を収集した。また、先行研究者と面談し、最新の知見や今後の研究の方向性について議論した。当初、この史料調査においてウクライナのリヴィウに渡航を予定していたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響が残っていたため、やむなく渡航を断念した。帰国後、入手した資料をもとに論文作成を進めている途中であり、次年度の『スラヴ研究』、あるいは、『史林』に投稿する予定である。一方、ガリツィアを含めた中東欧の歴史と国際情勢に関する講演会を八戸市ブックセンターから依頼されたため、11月26日に講演会を実施した。また、昨年度より引き続き、ガリツィアに関する本を執筆しており、現在も出版社と密に執筆状況に関する打ち合わせを行っている。 全研究期間において、新型コロナ・ウィルスの流行とロシアのウクライナ侵攻により研究を進めることが大幅に遅れた。そのため、研究計画の3年目までの予定がうまく進まなず、4年目に西洋史学会で口頭報告に至る成果を出すことができなかった。しかし、単著出版については現在出版社と打ち合わせが行えている。来年度の単著出版を目指し、現在作成している論文を『スラヴ研究』などに投稿していく。
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