2021 Fiscal Year Research-status Report
Two-Party Politics in the British Urban Communities, c. 1815-1832
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20K13218
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
正木 慶介 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (00757172)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近代イギリス / ホイッグ / トーリ / 政党政治 / 急進主義 / 政治文化 / 公共圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、19世紀初頭イギリスの地域社会(主に都市)における二大政党政治の展開を、出版印刷物、結社・アソシエーション、選挙などの観点から検討することで、議会政治と地方政治の間の動的力学を明らかにすることを目的とする。昨年度と同様、新型コロナウィルスの影響で英国でのリサーチを行えなかったため、国内での文献調査(主に電子史料と二次文献のリサーチ)を中心に活動を進めた。 加えて、フランス革命期のイギリスにおける民衆的急進主義運動について研究実績をあげた。この研究では、本研究課題と深く関連する論点として、ロンドン通信協会という民衆的政治結社が急進的政策を追求する運動の中でいかに野党ホイッグ党(およびその議会外結社)と関係を取り結ぼうとしたのかについても検討した。具体的な成果は以下のとおりである。 ・論文:「イングランド・ジャコバンと「王のいる共和政」」、中澤達哉編『王のいる共和政ージャコバン再考ー』(岩波書店、2022年近刊)、pp. 94-110 ・口頭報告:「イングランド・ジャコバンと「王のいる(いない)共和政」」、科研「ジャコバン主義の再検討―「王のいる共和政」の国際比較研究―」(基盤研究B)研究会、オンライン開催、2021年8月31日 令和4年度は、1820年代末から1830年代初頭にかけて制定された重要な改革法(1828年の審査法・自治体法の廃止、1829年のカトリック解放、1832年の第一次選挙法改正、1835年の都市自治体法)をめぐって、地域社会においていかに党派政治が展開したかに着目し研究を重ねたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、論文の執筆や二次文献の調査によって、本研究課題の歴史的背景に対する理解を深めることができた。その一方で、コロナ禍での渡航制限ゆえにイギリスでの史料調査や学会報告が行えず、期待通りの研究成果をあげることができなかった。 令和4年度は状況の改善が予期される。スケジュールをその都度調整しながら、柔軟に研究を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、本研究課題の最終成果である単著の完成に向けた研究と執筆作業に取り掛かる。具体的には、「研究実績の概要」の末尾に記したように、1820年代末から1830年代初頭にかけて行われた諸改革をめぐって、地方の党派政治がどのように展開したかを明らかにする。研究過程で、国内外の学会・研究会で口頭報告を行い、論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍ゆえにイギリスでの学会報告と図書館・文書館での文献調査が行えなかったため。 使用計画に関して、令和4年度は状況次第ではあるが可能な限り渡英する予定であるので、そのためにかかる経費(渡航費や滞在費など)にあてたい。また、引き続き、文献の購入費とオンラインデータベースの使用費等にもあてる。
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Research Products
(2 results)