2022 Fiscal Year Research-status Report
Bangladeshi migrants and migrant workers in Saudi Arabia and the network of Islamic revival
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20K13267
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉江 あい 京都大学, 文学研究科, 講師 (10786023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イスラーム化 / 海外出稼ぎ / 海外送金 / マドラサ / 統計 / スケール / バングラデシュ / サウディアラビア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は『カースト再考』を執筆・刊行した。本書(特に6章と終章)では,従来の南アジア研究で論じられてきた「イスラーム化」に通じる事例を挙げるとともに,従来のイスラーム化論だけでは捉えきれない現象が生じていること,そして地域社会におけるイスラーム化のメカニズムをマルチスケールな観点から明らかにする視座を導出した。 今年度もサウディアラビア(以下,サウディ)での現地調査はCovid-19の影響により,実施できなかったため,バングラデシュ(以下,バングラ)からの出稼ぎ者数・海外送金,サウディの外国人数,バングラ国内におけるマドラサ(イスラーム教学校)に関する文献・統計調査を中心におこなった。バングラからの出稼ぎ者数はCovid-19の影響によって2020年に大きく落ち込んだが,翌年からV字回復を見せており,依然としてサウディに出稼ぎに行く人の割合が6割近くと,最も多いことがわかった。特に女性出稼ぎ者の割合が高く,2022年には女性出稼ぎ者全体の65%近くがサウディに渡航していた。他方で,サウディからバングラへの送金額は2020年以降に大きく増加していた。これは,Covid-19の影響で経済的に困窮した親族などへの送金が多く行われたためと推測されるが,更なる調査が必要である。また,バングラ国内のコウミ・マドラサに関しては,近年の政府機関による統計調査も含め,これまでの調査結果を照らし合わせると数値に大きなばらつきがあった。これには,どの教育施設をコウミ・マドラサに含めるかという問題が影響していると考えられるが,入手できた統計調査結果からコウミ・マドラサの学校数や在籍児童数の推移を捉えるのは困難である。そのため,フィールド調査で観察されてきた「中東からの海外送金がコウミ・マドラサの増加をもたらしている」という現象が,どの程度の広がりをもって見られるのかについては,なお検討の余地がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも書いた通り,今年度もCovid-19の影響により,サウディアラビアでの現地調査を実施することができなかった。しかし,その分デスクワークを行う時間ができたことによって,著書の執筆やサウディアラビア国内の外国人の出身国別内訳やバングラデシュからの出稼ぎ者数・海外送金,バングラデシュ国内におけるマドラサ(イスラーム教学校)に関する文献・統計調査や,ベンガルにおける歴史的なイスラーム復興に関する資料の収集を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの統計・文献調査で明らかになったことを論文などにまとめる。サウディアラビアでの現地調査が可能であれば実施する。現地調査が難しい場合は,バングラデシュ人研究者にマッカのバングラデシュ人世帯調査を依頼する。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要にも書いた通り,今年度もCovid-19の影響により,サウディアラビアでの現地調査を実施することができなかった。次年度にサウディアラビアでの現地調査が可能であれば旅費として使用する。現地調査が難しい場合は,バングラデシュ人研究者にマッカのバングラデシュ人世帯調査を依頼し,謝金として使用する。
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Research Products
(1 results)