2022 Fiscal Year Research-status Report
A Human Geographical Study of the influence of Migration on First Marriage Behavior
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20K13271
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
丸山 洋平 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (60758647)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人口移動 / 家族形成 / 単身化 / 地域間比較 / 少子高齢化 / 人口減少 / 大都市圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に国立社会保障・人口問題研究所の人口移動調査の個票データを再集計することにより、人口移動と家族形成行動との関係という研究課題への接近を試みた。具体的には、東京圏、大阪圏、名古屋圏について、出身地(中学卒業時居住地)の別(当該圏内出身または圏外出身)で、壮年期(35~64歳)の単身者率を比較することで、地方圏から大都市圏への人口移動経験の有無による単身化傾向の差異を比較分析した。そこで問題となったのは、人口移動調査の集計による各大都市圏の壮年期単身者率が、国勢調査の実績値から大きく乖離している点である。この問題は、性別では男性、調査年次では第6回(2006年)以降でとりわけ大きく確認できる。そこで、人口移動調査の結果は、各調査時点における壮年期人口・単身者それぞれの出身地別割合のみを用いることとし、その値を直近国勢調査の壮年期人口・単身者に与えることで、国勢調査上で出身地別に分類されたデータを作成することとした。これによって、出身地別の壮年期単身者率の推移を見ると、常に圏外出身者の方が高い値を取っており、大都市圏への転入者が大都市圏ひいては全国の単身化の促進に寄与する状況が明らかとなった。しかし一方で、高度経済成長期において、地方圏から大都市圏へ移動した世代のと大都市圏郊外地域での家族形成によって大都市2世が多く誕生しており、その分、地方圏出身者は減少している。そのため、転入移動者の単身化傾向が強くても、その量的な減少と合わさった結果として、人口移動が単身化を促進する効果は明確に強まってきているわけではないということも同時に明らかとなった。これは、少子高齢化対策や人口減少対策の一環として、多くが未婚者である壮年期の家族形成や社会関係構築について考える際の、基底的要因として意義のある情報である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人口移動の量的研究として始まった本研究であるが、分析の結果として移動歴による家族形成行動の違いは明らかになるものの、そうした差異が生じる理由や原因への接近が困難であった。そのため、地方圏から大都市圏への移動経験がある単身者を主な対象としたヒアリング調査を計画したが、過去2年間のコロナウイルス感染拡大への対応のために実施が叶わない期間が続いてしまった。また、量的研究の展開として、現在、国立社会保障・人口問題研究所が実施した第15回出生動向基本調査の2次利用申請をしている。出生動向基本調査は家族形成規範に関する独身者と夫婦の意識を調査しており、第15回調査のみ中学卒業時の居住都道府県を質問していることから、移動経験による家族形成規範意識の差異を分析できると考えている。しかし申請の過程で、現住地情報として、3大都市圏を個別に把握できないデータしか提供できないとの返答があり、分析計画の変更を考える必要に迫られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度を研究の最終年度とすべく、1)地方都市圏を対象とした人口移動経験と家族形成行動との関係の量的分析、2)地方圏から大都市圏への移動経験のある壮年期単身者へのヒアリング調査のまとめ、3)移動経験による家族形成規範意識の差異についての量的分析、の3つを進める。また、本研究と類似する内容がある共同研究として「東京区部の壮年期単身者の生活実態」のプロジェクトを進めており、今年度中に研究成果を出版する予定である。その中で、申請者は東京区部で卓越する壮年期人口の単身化に対する人口移動の影響について、執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
1)ヒアリング調査を計画通りに実施できなかったため、交通費や謝金としての支出がなかったこと、2)国際学会がZOOM開催だったため出張費の支出がなかったこと、3)量的研究のデータ整理を申請者本人で行ったため、当初計画していた学生のアルバイト雇用がなくなったこと、が次年度使用額が生じた理由である。来年度はヒアリング調査を実施するとともに、国際学会への参加によって研究計画を遂行する予定である。
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Research Products
(4 results)