2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Human Geographical Study of the influence of Migration on First Marriage Behavior
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20K13271
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| Research Institution | Sapporo City University |
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Principal Investigator |
丸山 洋平 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (60758647)
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2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 人口移動 / 東京圏 / 東京区部 / ミドル期 / 単身化 / 多様性の許容 / 画一性からの脱却 / 伝統的規範意識 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今日では日本全体でミドル期（35～64歳）の単身化が進行し、東京圏、特に東京区部において卓越するという地域差を伴っている。東京区部におけるミドル期の単身化を考えるため、東京区部に居住するミドル期人口について、男女別・出身地別の単身化率を比較し、人口移動が単身化に与える影響を分析した。
分析では、国立社会保障・人口問題研究所による人口移動調査と国勢調査人口のデータを組み合わせた。人口移動調査で、出身地と現住地との組み合わせから過去の移動歴を分類し、調査時点での東京都在住者について、男女別にミドル期人口および単身者に占める出身地別割合（東京圏外・東京圏内）を算出し、直近の国勢調査人口にそれらを与えて国勢調査上での出身地別シングル率を推定した。
分析結果からは1985～2015年にかけて、男女とも東京圏外出身者の方が東京圏内出身者よりも単身化率が高いこと、その較差は男性の方が大きいことが明らかとなった。その一方で、東京圏外出身者は数を減らしてきており、そのシングル化傾向の相対的な高さが東京区部ひいては東京圏や全国のミドル期シングル率を引き上げる効果は縮小傾向にあった。
こうした結果を受けて、地方圏から東京区部に転入する者は、相対的に伝統的な規範意識の強い場で定位家族期を過ごしており、そうした規範意識の中でも、男尊女卑や性別役割分業といった負の側面からの逃避という意味が、地方圏から東京区部への移動により強く籠められるようになったのではないかと考えた。そうした移動をする者は画一性からの脱却と多様性への許容を期待し、そのような環境が大都市圏にあるという希望があるものの、それは相対的な大きさでしかなく、十分な水準とは言い難い。それでも地方圏に比べて“まし”であれば、多様化する単身者の生活実態に呼応して、東京圏や東京区部への人口転入は継続することになると仮説的に考察した。
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