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2022 Fiscal Year Research-status Report

民俗芸能における演技の創造性に関する民俗学的研究

Research Project

Project/Area Number 20K13277
Research InstitutionTenri University

Principal Investigator

松岡 薫  天理大学, 文学部, 講師 (90824350)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords俄 / 民俗芸能 / 演技 / 創造性 / 即興性 / 大衆芸能 / 北部九州
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、「民俗芸能の演技がいかに創造されているのか」という問いに対し、演技の一回性・即興性を特徴とする俄(にわか)という民俗芸能を対象としたフィールドワークを実施し、演者と観客のやり取り、演技に対する評価のあり方、演技の制作過程などに注目して、「見る-見られる」関係と演技の創造性との具体的な相互関係を考察することを目的とする。
本年度は、祭りを再開するところもあり、予定していた熊本県阿蘇郡高森町の風鎮祭において現地調査を行うことができた。昨年度までの研究成果によって、俄の場合、題材、筋立て、台詞をローカルな文脈に置くことの重要性が明らかになったため、本年度は演者たちが好んで選択する題材や、良いと評価される演技の特徴について特に注目し調査を行った。この点については、現代民俗学会第66回研究会「民俗芸能とヴァナキュラー芸能のあいだ」において、「俄はヴァナキュラー芸能なのか?―熊本県南阿蘇地方の俄から考える―」と題する口頭発表を行った。この発表では、青年たちが身近な話題や出来事をどのように組み合わせながら演目を作り上げ、それを演じることで自分たちの俄を獲得しているのか、その制作プロセスを検討した。
また、本年度の風鎮祭では地域住民に交じって外部の者が役者として舞台に上がる様子が見られた。外部の者を交えた演技に対する住民たちの反応については、「見る―見られる」関係から、民俗芸能の演技を捉え直すという本研究の課題への重要なデータであり、具体的な分析・考察については次年度への課題としたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度夏以降、徐々に祭りが再開され、現地調査に対する規制も緩和されるようになった。それにより、計画していた祭礼調査のうち熊本県阿蘇郡高森町での調査が実施できた。この調査成果および研究成果については「研究実績の概要」で述べたとおりである。
また、次年度が最終年度にあたるため、研究成果の報告にむけたデータの整理を進めている。

Strategy for Future Research Activity

次年度は本科研の最終年度にあたるため、成果報告に重点を置きたい。
具体的には、日本民俗学会や説話・伝承学会の年次大会での口頭発表を予定している。また、俄の演目内容(題材、登場人物、粗筋)や演技中の台詞や所作、「落とし」と呼ばれる締めの言葉(落語のサゲにあたる、掛け言葉)を事例に、民俗芸能の創造性に関する研究論文を執筆し、学会誌や所属機関の紀要に発表する予定である。

Causes of Carryover

covid-19の影響により、2020年度および2021年度は国内出張をほとんど取りやめることとなった。当初計画していた祭礼の現地調査も、祭礼が中止されたことにより予定通り調査を実施することができなかった。
2022年度からは徐々に祭礼が再開されるようになり、人々の行動規制も緩和されるようになったため、現地調査を実施できるようになったが、2年間調査が中止していた影響は大きく、研究期間を1年間延長することにした。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 持続可能な民俗芸能の継承にむけて―担い手の視点から2022

    • Author(s)
      松岡薫
    • Journal Title

      日本民俗学

      Volume: 312 Pages: 192-206

  • [Presentation] 地方で芸人として生きる ―ある肥後にわか師への聞き書きから―2022

    • Author(s)
      松岡 薫
    • Organizer
      日本民俗学会第74回年会
  • [Presentation] 俄はヴァナキュラー芸能なのか?―熊本県南阿蘇地方の俄から考える―2022

    • Author(s)
      松岡 薫
    • Organizer
      現代民俗学会第66回研究会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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