2020 Fiscal Year Research-status Report
Obligatory Seppuku during the Edo Period: A historico-cultural legal study of applications in different domains
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20K13306
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
Korneeva S 帝京大学, 文学部, 准教授 (30599494)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 切腹 / 江戸時代 / 刑罰 / 法制文化史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の江戸時代に刑罰として適用された切腹に着目し、諸藩での適用のあり方を考察するものであり、切腹がどのような罪に対し課せられたかに着目し、事例の収集と分析をすることによって刑罰としての切腹を実証的に捉えることを目的としている。そのため、各藩での罪科の一つとしてどのような罪に対し切腹が科されたかに焦点を当てる必要がある。研究対象として、東日本、西日本、中国に位置したいくつかの藩における切腹刑の運用に焦点を当て、藩内での運用すなわちどのような罪に対し切腹が下されたかを実証的に明らかにしていく。この作業を通して、江戸時代の諸藩における切腹刑の実態を明らかにするとともに、打ち首など他の死刑の方法との差異という観点から刑罰としての切腹の一側面の解明を目指す。 研究活動の初年度である2020年度中は新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言の影響を受け、計画していた地方の資料館などでの現地調査について、1館のみ実施することができた。その現地調査は、本研究が目的としている切腹刑の適用経過がわかる事件の具体的な記録を収集することができる、有益な調査であった。手持ちの資料の整理と平行し、複写依頼を中心に資料の収集に注力する状況が続いた。2020年度はオンラインで開催された学会発表2件(ポスター発表1件、口頭報告1件)に加え、それぞれ資料紹介を1篇、研究論文を1編所属している大学の紀要に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響により、当初予定していた資料調査を部分的にしか実施できず、収集と分析にやや遅れが出ている状況である。研究活動が限定された中、収集できた資料の中にこれまであまり表に出てこなかった記録が見つかり、整理とまとめを急ぎたい。また、研究の遂行に必要な図書を揃え始め、環境整備を進めていった。以上のように、初年度は新型コロナウィルスの収束の目処が立ちにくい状況において、試行錯誤しながら資料の収集を進めており、当初の計画以上の時間を要したため、当初の計画はやや遅れているが、次年度以降は出来る範囲内でのことを着実に実行できるように努める。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は可能な限り現地に出向き資料調査を実施する予定である。現地調査が難しい状況が続く場合、資料のコピーか画像を複写ないし撮影して郵送してもらうなど、関連資料の所蔵館と相談しながら、入手しうる資料の収集と手持ちの資料とのつけ合わせの作業を継続していく予定である。図書購入をはじめ研究環境の整備を引き続き行う中、収集済みの資料の整理と分析を急ぐ。まとめていき、学会発表に加え研究論文の投稿準備を進めていく。英語での発表を初め、学会への報告のエントリーを積極的に行い、研究成果の発信に努める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、当初予定していた現地への資料調査を部分的にしか実施できなかったため、予算を全額使い切ることができなかった。次年度以降は人件費および旅費を含め、機器の購入など効率よく予算を消費する予定である。
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Research Products
(4 results)