2020 Fiscal Year Annual Research Report
家族における財産の形成と移転に関する課税の包括的検討
Project/Area Number |
20K13313
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
住永 佳奈 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (60826519)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 租税法 / 所得課税 / 財産移転 / 家族 / 消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、家族という一体的な関係のもとで行われる財産の形成・保有・移転に関する所得課税および資産課税上の諸問題を考察することにより、家族内での移転と第三者間での移転の公平および、課税方式の選択に関する財産の世代間移転の公平が達成されること、また、家族内、第三者間、世代間での公平な課税を実現するための理論的基盤を提供することである。 研究初年度である本年は、日本および米国の裁判例を素材として、家族内における所得の発生と移転における財産およびそれから生じる所得の実質的な支配という要素を課税にどのように反映すべきかを、家族内における財産の形成・保有・移転手段の特性を踏まえて論じる計画であった。資料調査の過程において、所得の要素の一部である消費、とりわけ日常的な消費のための支出が所得獲得に貢献することを所得課税において反映すべきか、するとしてどのような方法がありうるかという、より根本的な問いを先に論じるべきであると考えた。そこで、物的資本との対比における人的資本の特色として消費を取り上げ、消費も所得獲得に貢献しうるため、消費であることのみでは控除を否定する理由とならないこと、また、控除のあり方として人的控除等も考えうることを、日本および米国の裁判例を参考に論じた(京都大学法学論叢189巻3号掲載予定)。消費は、たとえば家族における所得の稼得者が他の家族構成員の生活費や学費、医療費を支出するという形で、家族内における財産の移転を構成するものであると考えられる。
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Research Products
(1 results)