2020 Fiscal Year Research-status Report
Does post-identification feedback affect eyewitness' behaviour?
Project/Area Number |
20K13359
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
福島 由衣 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10836498)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 目撃者識別 / ラインナップ / 誘導的な面接者 / 聴取 / 確信度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の識別後フィードバック効果(PIFE)とは,聴取者が目撃者識別の正確性を暗に肯定するような発言(例「いいでしょう,犯人を選びましたね」)をすると,目撃者記憶の変容や,これに付随する確信度の上昇を引き起こす現象である。本研究の目的は,PIFEによって変化した確信の程度が,目撃者のその後の具体的な「行動」に影響を与えるかどうかについて検討することである。2020年度は,実験者からの依頼に実験参加者が承諾するかどうかの承諾率にPIFEが影響するかどうか検討するため,実験を2件実施した。 2020年度の本課題に関連した実績は,学会報告3報(ワークショップ1報・口頭2報)であった。法と心理学会第21回大会では,(1) 福島由衣・外塚果林・遠山大輔 「目撃供述の信用性」に関する心理学・法律学的視点からの考察(話題提供者) ,(2)福島由衣・向井智哉・相澤育郎・入山茂 「心理学的知見を裁判官はどのように評価しているのか:刑事裁判判例の計量的研究」(口頭発表),(3)伊東裕司・伊藤理香子・福島由衣 「人物同定手続き時の文脈が目撃者の判断に与える影響―捜査協力時の同時ラインナップ―」(口頭発表) など,研究課題と関連する報告を行なった。 (1)では本研究課題で検討対象しているPIFEをはじめとする,目撃者の識別判断に影響を及ぼす諸要因を俯瞰し,これらによる影響を防止する方法について紹介し,議論した。(2)では,PIFEを含む心理学的知見に基づく心理学鑑定が裁判所にどのように評価されているか判例のアーカイブ研究を行い,これについて報告した。なお,当研究について 現在論文化中である。(3)では人物同定手続きを行う環境が同定判断に与える影響について研究を行い,これについて報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事業初年度は実験の準備,実験1までの実施予定であったが,現時点において実験2まで実施が終了しているため,やや計画以上に進展している。ただし,今後の研究計画には対面での実施が必要な実験が含まれているため,次年度以降は新型コロナの感染拡大の影響を免れ得ず,遅れが見込まれる。以上の理由から上記進捗状況と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、当初の実験計画にしたがって実験3以降の実施を目指す。ただし,2021年度の実験実施可否は新型コロナ感染拡大状況に依存する。実験実施以外では,ここまで終了している実験1と2の論文化を目指す。
|
Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍により,国際学会及び国内学会に関して大きな変更があったため,予算執行計画に変更が生じた。これについては,2021年度以降の消耗品費や対面実験実施時の人件費に使用することを検討している。
|