2021 Fiscal Year Annual Research Report
Restructuring corporate governance by protecting minority shareholders and securing independent directors
Project/Area Number |
20K13374
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Research Institution | Shobi University |
Principal Investigator |
奥乃 真弓 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授(移行) (60866325)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / サステナビリティ / 独立社外取締役 / 啓発的株主価値 / 支配の好影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目はResearch Questions(RQ)2「独立社外取締役の保護」と3「支配の好影響」に取り組んだ。具体的には、サステナビリティの観点から、2021年6月に公表されたコーポレートガバナンス・コード(「CGコード」)がそのロードマップを示した意義をアメリカの2つの事案-Exxon Mobil対Energy No.1、Salesforce.com. Inc.-を取り上げ比較法の観点から明らかにした。 CGコードは取締役会の機能発揮,企業の中核人材における多様性の確保,サステナビリティを巡る課題への取組みを3本柱とし、社会全体としてのロードマップを提示し,それがリスクの減少のみならず収益機会にもつながることを謳う。一方、アメリカの2つの事案から、社会問題の解決が国や政府ではなく私法に委ねられているロードマップの欠如という問題点を指摘した。 また、①企業のサステナビリティへの取組みの中心は取締役会であり、CGコードにおける社外取締役の人的資本等に関する変更あるいは新設から社外取締役の役割への期待(RQ2)、②上場会社において比較的多数の株式を有する株主は、株式の譲渡が容易ではなく、より高い株式リターンを目指し、経営に積極的にかかわり企業価値最大化を目指すこと(RQ3)、③ロードマップの欠如が指摘されるアメリカにおいてもアメリカ法律協会がEnlightened Shareholder Value(啓発的株主価値)をRestatement of Corporate Governance Lawに加えることを検討中であることを指摘した。こうした点から、CGコード2021が提示するロードマップのもと、社外取締役を中心に企業と支配的な株主や機関投資家が建設的な対話を行い企業の課題に実質的に取り組むことが企業価値の最大化にとって重要であることを指摘した。(国際商事法務論文)
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Research Products
(5 results)