2022 Fiscal Year Research-status Report
From Settler Colonialism to Commonwealth: A History of Political Thought in the Post-Brexit Period.
Project/Area Number |
20K13395
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬路 智仁 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80779257)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グレーター・ブリテン / 殖民主義 / ブリティッシュ・コモンウェルス / 南太平洋 / 太平洋島嶼 / 人種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近代のイギリスにおいて、世界の大洋を跨いで広がるブリティッシュ・コモンウェルスという帝国共同体がどのように想像・構想されてきたかを、殖民主義(settler colonialism)論などの知見を踏まえて政治思想史学の観点から明らかにすることである。 この目的に照らして、2022年度は主として三つの作業を行った。(1)一つ目に、当該研究テーマをめぐる最新の研究文献の検討であり、この点ではH.G.ウェルズやW.T.ステッド、アンドリュー・カーネギーらの人種観をベースとしたグレーター・ブリテン、ブリティッシュ・コモンウェルス、アングロ・アメリカン共同体構想を探求したDuncan Bell, Dreamworlds of Race (Princeton UP, 2020)の国際的な書評フォーラムに貢献するという成果を得た。(2)二つ目に、昨年度に引き続き、殖民主義が展開された南太平洋地域(オーストラリアやニュージーランド)からの視角を検討し、特に著名な歴史家J.G.A.ポーコックが「新しいブリテン史」の枠組みの下で、本国ブリテンとの関係をいかに捉え直そうと試みたかを吟味した。(3)三つ目に、1960年代以降の太平洋・脱植民地期に、ブリテン帝国主義の深い影響下にあった中・南部太平洋の島嶼地域において、帝国的なブリティッシュネスがいかなる批判に晒されたかを研究した。(2)と(3)の成果の一部は、2022年5月の政治思想学会大会などで報告し、また、同学会機関誌『政治思想研究』に論文として寄稿するという成果を得た(2023年5月刊)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」で記した三つの次元での研究が進展し、国内外の学会/カンフェレンスで報告を行い、英語ジャーナルにおける掲載と日本国内の重要な学会誌における論文掲載を得たため、概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度の研究成果、特に上記「研究実績の概要」における(2)と(3)の成果を受けて、ブリティッシュ・コモンウェルスや帝国的ブリティッシュネスが南太平洋の入植者植民地や太平洋島嶼から、いかに批判的に捉え直されたかの検討を進めることとしたい。
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Causes of Carryover |
Covid-19の継続的影響により、予定していた海外での資料調査や学会発表ができず、計画していた旅費・宿泊費を使用できなかったため。これらは、2022年度後半の海外渡航の緩和状況を踏まえて、繰越し分を適宜使用する予定である。
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Research Products
(5 results)