2020 Fiscal Year Research-status Report
マイノリティ団体が政治的影響力を行使する条件:現代日本とした実証分析
Project/Area Number |
20K13399
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大倉 沙江 筑波大学, 人文社会系, 助教 (40779534)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 政治参加 / ジェンダー / マイノリティ / 市民社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、女性や障害者などを事例として、マイノリティ集団が政治的影響力を行使するための条件とそのメカニズムを明らかにすることである。具体的に検証するのは、これまで学術的な検証が十分ではなかったマイノリティが関わる市民社会組織、またマイノリティ議員の政治的影響力である。1年目である本年は、まず、マイノリティと政治に関する先行研究や利益集団研究に関する先行研究を広く収集し、その幅広い批判的検討を通じて、マイノリティの政治的影響力の有無とそのメカニズムを説明する理論枠組みの構築を試みた。マイノリティが関わる団体の活動や彼らの過小代表等をめぐっては、ジェンダー研究の分野でとりわけ多くの議論の積み重ねがある。そのため、ジェンダー関係の書籍・資料が所蔵されている市川房枝記念会女性と政治センター等を訪問し、先行研究等の収集を行った。また、女性や障害者が関わる市民社会組織に関する資料の収集とデータセットの作成、障害のある議員・候補者に関する資料の収集とデータセットの作成もあわせて行った。研究成果の一部は、日本比較政治学会やTsukuba Global Science Week 2020などで報告され、外部の識者から専門的なフィードバックを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に基づき、基礎的な資料収集・文献調査を予定通り実施できたため。また、新型コロナ感染症の影響で若干スケジュールに遅れは出たものの、年度末までには、国立国会図書館や市川房枝記念会女性と政治センターなどを訪問し、資料の収集とそれに基づくデータセットの作成を行うこともできた。ただし、本テーマは時事性が強く、政策動向や当事者の動きも流動的であるため、基礎的な資料収集と文献調査については、引き続き進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2021(令和3)年度は、2020(令和2)年度に作成したデータセットをもとに、データの分析と研究成果の公表を本格化させる。具体的には、世界政治学会、ヨーロッパ日本研究協会、日本政治学会、日本選挙学会等え報告を行い、マイノリティと政治との関係について研究を行う専門家から、ひろくフィードバックを得る予定である。
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Research Products
(3 results)