2020 Fiscal Year Research-status Report
有権者が政治意識を持続する仕組みの解明:メディアの信頼度を軸とした国際比較
Project/Area Number |
20K13409
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
劉 凌 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (80844521)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 政治コミュニケーション / 政治情報選択 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究ではメディアの政治的効果が限定的であると言われてきたが、なぜ人々の政治意識はメディアに影響されないのか。既存の理論は、主にメディアへの不信感が強いアメリカの文脈で発展したものであり、メディアの信頼度が高い国々にそのまま適用することには問題がある。このような問題意識を踏まえて、本研究は、国際比較のアプローチを通し、 高メディア信頼国で有権者はいかに政治意識を持続しているかのメカニズムを解明することを目的にしている。
2020年度の研究成果としてあげられるのは、オンライン調査の形式で、メディアの信頼度が相対的に高いレベルにある日本、中程度の香港、低いレベルにあるアメリカという三つの国・地域で比較実験を行った。参加者に研究者が作った擬似ニュースサイトにアクセスしてもらい、日米港における参加者の政治報道に対する選択行動を調べることができた。調査から取得したデータの分析も進めており、研究成果を国内学会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、メディア報道に対する選択行動を検証する調査実験を実施し、メディアの信頼度に違いがある日本人、香港人とアメリカ人の政治報道に対する接触行動を比較することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
学会で得られたコメントを踏まえて、分析を精緻化にして、論文としてまとめて国際学術誌に投稿する。さらに、当初計画した情報処理過程の分析を行う。
|
Causes of Carryover |
調査実験のプログラミングは研究者が行ったため、使用額を当初の予定よりも抑えることができた。一方、今年度に実施した調査の結果を踏まえて、次年度に当初の予定より大規模な国際比較を行う計画を立てており、次年度における使用額を多く見込む必要があると検討している。
|
Research Products
(4 results)