2020 Fiscal Year Research-status Report
地方選挙と政党政治:地方レベルの選挙制度が政党の政策形成に与える影響の分析
Project/Area Number |
20K13420
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Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
吐合 大祐 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究戦略センター, 主任研究員 (20846513)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地方政治 / 選挙公約 / 議員行動 / 政党組織 / 日本政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中央と地方の選挙制度の違いに注目し、選挙制度の違いが生み出す国会議員・地方政治家それぞれの「再選のための利益」の違いを明らかにしたうえで、両者の利益の違いが政党組織の特徴や政策形成に及ぼす影響について実証的に検討することである。本プロジェクトが始動した2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う種々の措置の影響により、ヒアリング調査の実施、学会・研究会への参加など研究活動に一定の制限が加えられてしまったため、当初の研究計画を大幅に変更せざるを得なくなってしまった。申請者はこの状況を受け、当初からの計画を変更し、2020年度のほぼすべての時期をデータ収集・データセット作成ならびに文献収集・先行研究の整理に費やし、分析の準備を進めることにした。
そのため今年度は、主に、①「2019年統一地方選挙」が実施された41道府県に加え、同年別時期に実施された岩手・宮城・福島の東北3県をあわせた計44道府県の議会議員選挙で公開された選挙公報データ収集・データセット作成、②1996年から2017年にかけて実施された衆議院議員総選挙での当選者に関する2つのテーマについてデータ収集・データセット作成に取り組んだ。具体的には、申請者が研究員として在籍する神戸大学法学研究科の大学院生をリサーチ・アシスタントとして雇用し、彼らと分析の準備を進めるとともに、予備的分析を行った。また政治家の政策選好に関する文献を収集し、地方レベルの政治家の行動原理について検討した。
上記の成果として、「日本政治学会」「日本選挙学会」「神戸大学政治学研究会」「京都大学政治学研究会」にて研究報告を行った。また上記のデータを用いた論文を執筆しており、完成次第、関係学会の雑誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」でも述べた通り、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の措置が取られたため、ヒアリング調査や県を跨いだ資料収集等を当初の予定通り実施することができなかった。そのため当初の計画を変更し、今年度は分析に必要となるデータ収集・データセット作成に専念することとした。
収集したデータを扱う作業については、当初の目標以上のペースで進んだだけでなく、そこで収集したデータを用いた分析も実施し、学会ペーパーとして論文にまとめることが出来た。当初の計画から大きく変更せざるを得なかったものの、分析に必要となるデータ収集・分析準備は大きく進展したため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
今後は学会・研究会報告を通じたフィードバックを基に論文の再修正に取り組み、査読付き論文として学会雑誌に投稿していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまで取り組んできた作業成果を基に論文執筆ならびに学会・研究会報告を積極的に行っていく。また学会・研究会等で得られたコメントを基に論文の修正・校正を進め、論文投稿を目指して研究活動を進めていく。また、同時に、新たなデータの収集も並行して行い、新たな分析の準備も行う予定である。 基本的には、次年度も、新型コロナウイルス感染拡大が収束しないことも考慮したうえで研究活動を進めていく。具体的には、オンラインで開催されている学会・研究会に積極的に参加し、感染症対策によって生じる影響を最小限にするよう万全を期す。
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Causes of Carryover |
実績概要でも述べた通り、政府・自治体より新型コロナウイルス感染拡大防止の措置が取られたため、当初計画していたヒアリング調査ならびに資料収集を十分に行うことが出来なかった。そのため、当初計画を変更し、2020年度は分析に必要となるデータの収集・データセットの作成に充てることにした。そこで当該年度は人件費への充当を増加し、次年度以降、分析およびに論文執筆に注力することが出来るよう作業を進めた。
ただし、それによって生じた剰余分については次年度に繰り越し、研究環境の整備としてノートパソコンの購入や新たなリサーチアシスタントの雇用に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)