2021 Fiscal Year Research-status Report
地方選挙と政党政治:地方レベルの選挙制度が政党の政策形成に与える影響の分析
Project/Area Number |
20K13420
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Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
吐合 大祐 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究戦略センター, 主任研究員 (20846513)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地方政治 / 議員行動 / 政党政治 / 選挙公報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中央と地方の選挙制度の違いに注目し、選挙制度の違いが生み出す国会議員・地方政治家それぞれの「再選のための利益」の違いを明らかにしたうえで、両者の利益の違いが政党組織の特徴や政策形成に及ぼす影響について実証的に検討することである。本プロジェクト2年目にあたる今年度は、(1)前年度に引き続き、研究に必要な資料・データの収集と、(2)収集した資料に基づく論文執筆ならびに論文投稿、の2つを軸に研究活動を進めてきた。 (1)については、まず昨年度に引き続き、都道府県議会議員の選挙公報データを収集した。東京都・兵庫県について過去まで遡ってデータを収集し、一部ではあるが、分析を行った。今のところは、これまで収集した都道府県議会議員の選挙公報データを再分析するなどして、新たな知見の創出にも取り組んでいる。それから、国会議員と地方議員の再選戦略・選挙戦略について理解するために、海外文献を中心にレビューを行うとともに政治家の選挙戦略・政治活動に関する理論的考察に取り組んだ。その成果として、議員行動研究の現時点での到達点を示すレビュー論文を執筆した。 (2)については、上記のテーマに関連するデータ・資料を収集する作業に取り組んだ。例えば、地方議員の選挙戦略や再選活動の実態と地方自治体の政策形成過程について理解するために、現役の県議会議員ならびに自治体組織にヒアリングを行った。また研究の過程で収集した国会議員の委員会活動データを用いた論文の執筆や、所属機関の研究プロジェクトの一環として研究報告書の執筆にも取り組んだ。そのうち一つは査読付き論文として次年度内に公刊が確定している。 次年度は、これまで収集したデータ・資料を基に分析活動・論文執筆を進めるとともに、最終的に学術書(単著)の公刊を目指して研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は当初の計画通り、複数の論文の公刊と、学会・研究会で研究報告を行った。学会報告で用いた研究論文は公刊に向けての編集作業がほぼ完了している(すでに公刊済みのものもあり)ため、申請時点の計画の通り「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となる。次年度は、現時点で日本行政学会でのポスター報告、日本政治学会での研究報告が決定しているため、この2つの報告に向けての論文執筆ならびにデータ分析を進める予定である。またこの2つの学会以外の学会・研究会に積極的に参加し、論文公刊に向けて論文内容や分析方法についてブラッシュアップしていく。 また、上記テーマ以外にも、これまで収集してきたデータや資料をもとに論文執筆を行い、公刊を目指し粛々と作業を進めていく。投稿先の候補としては、「年報政治学」「選挙研究」「年報行政研究」等日本語雑誌に加え、英文雑誌への投稿も目指し、研究活動に従事する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点より、政府・自治体を中心に「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」の発出および発出の検討が複数回にわたってなされていた事情に合わせて都道府県を跨ぐ出張を自粛した。本来用いる予定であった旅費を、可能な範囲で別の研究活動に充てていたものの、当初予定額を全額使い切ることが出来なかったため、次年度使用額が生じてしまった。
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Research Products
(9 results)