2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K13435
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
冨永 靖敬 法政大学, 経済学部, 准教授 (40779188)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国内武力紛争 / 和平プロセス / データセット構築 / 計量政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,複数の反政府勢力が活動する国内武力紛争を対象に,政府による特定武装組織の和平プロセスからの排除の論理を明らかにすることを目的とする。研究にあたっては,既存のデータに加え,公開情報から必要なデータを収集,コーディングすることを通して,仮説の統計的な検証を可能にする。昨年度実績報告書で記載した通り,本研究では,研究目的を「政府による特定の武装勢力に対するテロリスト指定」の論理とその影響に変更している(詳細は昨年度報告書参照)。
2022年度は「国家によるテロリスト指定に関するデータセット」についての論文がJournal of Peace Researchから出版されたのに加え,テロリスト指定の論理の解明を試みる研究を行った。当該研究においては,国家は自国に安全保障上の影響を及ぼす組織(国内で活動する組織が国内のターゲットを攻撃する,あるいは国外で活動する組織が国内のターゲットを攻撃するケース)をテロリスト指定する傾向があるだけでなく,必ずしも自国に対する安全保障上の脅威でなくとも同盟国に対する脅威になる場合には積極的にテロリスト指定という政策を採用することを明らかにした(一方で国家は「敵対国を攻撃する武装組織はテロ指定しない」という仮説は必ずしも有意ではなかった)。本研究の成果は既にJournal of Conflict Resolutionにてオンラインで先行公開されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の実績報告にて記載した通り,本研究は,コロナ禍の影響により,研究の開始を一年遅らせる判断をした。したがって,実質的には2021年度が研究初年度と位置付けている。その中で軽微な研究の修正は行なったものの,データセットの構築に加え,テロリスト指定の論理の解明の研究について既に国際誌に掲載されており,順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,これまでの研究を前提とした上で,国家によるテロ指定が武力紛争の推移にいかなる影響を及ぼすのかを明らかにする。特に,これまで国家は「テロリストとは交渉しない」という原則を掲げてきたが,その実態の解明に加え,昨年度構築したデータセットを用いて仮説の定量的な評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により,国際学会への参加が不可能であった点から,2021年度に引き続き,2022年度も予算の繰越を行わざるを得ない状況となった。2023年度も同様に,研究代表者のライフイベントの発生により,国際学会への参加は難しいと考えている。あくまで研究を遂行することを目的とし,不必要な研究費の消化は控えたい。その上で研究期間終了後残高が発生した場合には,機構へ返還する。
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Research Products
(2 results)