2021 Fiscal Year Research-status Report
企業の現金保有行動を考慮した金融政策の経済成長効果に関する研究
Project/Area Number |
20K13449
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 慶春 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (30748520)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 研究開発投資 / 特許保護 / 特許ライセンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は研究計画に従い、手元資金を研究開発投資に投入する企業行動を標準的な内生的経済成長理論のモデルに導入し、分析を進めた。東北大学での研究セミナー、および京都大学と東京工業大学の共催ワークショップで発表した際に頂戴したコメントをもとに改訂を行った。 2021年5月に、その研究成果を以下のワーキングペーパーとしてまとめた。 "Growth and Welfare Effects of Intervention into Patent Licensing Negotiation." MPRA Paper No.108009, May 2021. その後、海外査読付きジャーナルに投稿をした。肯定的なレフェリーは存在したものの、総合的にRejectという判定を頂いた。否定的な意見として、手元資金を研究開発投資に投入する企業行動と、経済成長率の関係についてのエビデンスが不足しているというコメントを頂いた。現在は別のジャーナルに投稿し、査読結果を待っている段階である。 また2021年度はこの研究プロジェクトを通じて、企業間の特許ライセンス契約をゲーム理論を用いて描写することの重要性を実感したため、上記のペーパーとは方向性を変えた研究も別に遂行した。その結果、特許の先行保護の強化が経済成長率を低める可能性が示唆された。これは特許の先行保護に関する既存の理論的論文には無い研究成果である。また、この研究は2022年5月の日本経済学会春季大会で報告する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のモデルが構築され、ワーキングペーパーとしてまとめることができた。また学術雑誌に投稿し、今のところ掲載は出来ていないものの、肯定的な意見もレフェリーから頂いているため、将来的に別のジャーナルで掲載が見込める。また本研究プロジェクトから着想を得た別の研究も進んでいるため、概ね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は投稿中の論文が受理されることを目標とする。また、別の研究については学会報告やセミナー報告などを行いつつ改訂し、ワーキングペーパーとして公開することを目標とする。
|
Research Products
(2 results)