公共財の割当問題における望ましい制度の設計に関する分析

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K13462
• Research Institution: Kwansei Gakuin University
• Principal Investigator: 田村 翔平 関西学院大学, 経済学部, 講師 (10802035)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: メカニズムデザイン / 公共財

Outline of Annual Research Achievements

本研究は複数の集団からなる社会において公共財をどの集団に割り当てるかを決定するための制度の設計可能性をメカニズムデザインの枠組みを用いて分析を行うものである。2021年度の分析では、2020年度の分析において得られた結果の頑健性を高める結果を得た。具体的には、2020年度に公理的特徴付けを用いて行った制度の導出について、各個人が公共財に対して持ち得る評価値の集合が実数全体から凸集合に拡張された場合でも、2020年度の分析と同じ結果が得られることが分かった。これにより、現実社会のより広範囲な環境において、2020年度に導出を行った制度の優位性を提示することが可能となる。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画の通り、公理的特徴付けを用いた分析を行い、目標に達する結果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

公理的特徴付けを用いて得られているこれまでの結果について、異なる公理の組み合わせを用いた場合にどのような制度が導出されるのか、またその制度がこれまでに導出を行っている制度と異なるものであった場合は制度間に優位性があるかどうかについて明らかにしたい。加えて、2021年度の分析において用いた条件をさらに弱めた場合に同様の結果が得られるのかどうかについても明らかにしたい。

Causes of Carryover

当該年度においては新型コロナウイルスの感染拡大に伴い当初の計画の旅費の支出に至らなかったため次年度使用額が生じている。次年度使用額については2022年度における旅費の支出に充足する。