2020 Fiscal Year Research-status Report
非関税措置が貿易に与える影響の異質性に関するミクロ実証分析
Project/Area Number |
20K13493
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
楊 起中 青山学院大学, 経済学部, 助教 (20837364)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非関税措置 / グローバル・バリューチェーン / GVC positioning / GVC centrality |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では非関税措置(以下“NTM”)とグローバル・バリューチェーン(以下“GVC”)の二つのキーワードに注目する。NTMが貿易に与える影響は貿易企業のGVCにおける位置づけによって変化するため、本研究は生産工程の細分化が進む背景においてNTMがGVC上の企業の貿易パターンや生産性に異質な影響性に与えるメカニズムを解明するものである。これにより、俯瞰的視点からNTMが貿易に与える影響を相対的かつ正確に捉えられるため、今後のNTMの政策決定に寄与できる。分析は主に下記のパートから構成される。 <1> NTM→貿易の外延・内延への効果、すなわちNTMがGVC上に位置する企業の貿易の外延と内延に与える影響を明らかにすること。 <2> NTM→貿易企業の生産性への効果、すなわちNTMが企業の生産性に与える影響を分析すること。 両パートはテーマの関連性が非常に高いことから同時期に研究を行っている。本研究については計3本の論文を執筆しており、いずれもディスカッション・ペーパーの形で公表した。そのうちの一本については日本経済学会秋季大会や早稲田大学の国際経済学ワークショップで発表を行い、分析方法などを推敲したのち現在は査読誌へ投稿中である。その他の一本についてはERIA(Economic Research Institute for ASEAN and East Asia)のNTMプロジェクトとの合同研究という形で執筆し、既に査読誌(International Economics)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述のように本研究の結果については現時点において3本の論文でまとめており、うち一本は査読誌で公刊され、もう一本は査読誌へ投稿中であるため、当初の予定より生産的に論文に反映することができており、計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は上述の査読中論文の投稿・リバイスを引き続き進める。他方、GVCの実証推定手法が近年他の研究者の研究成果によりある程度確立されてきたため、今後はGVCにより重きを置いた実証分析を進めて所存である。
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Causes of Carryover |
昨年度はコロナ禍により国内・海外の大多数の学会が中止またはオンライン開催となったため、主に旅費について次年度使用額が生じた。
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Research Products
(5 results)