2022 Fiscal Year Research-status Report
防災対策における自助と共助・公助の関係性の実証分析
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20K13499
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
尾沼 広基 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員 (30818307)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 家庭防災 / 防災備蓄 / 自然災害 / リスク認知 / チャリティーハザード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、国・自治体レベル(公助)や地域コミュニティレベル(共助)で行う防災対策が個人の自助努力に及ぼす影響について検証することを目指す。 本年度は、新型コロナウイルスの影響により延期になっていた地方自治体(市役所・町村役場)へのヒアリング調査を実施した。このヒアリングの主な目的は、地方自治体の市民防災への認識や防災対策に関する現状の課題について把握することである。今回は、大規模地震や豪雨災害による被災経験を持つ宮城県の15市町を調査し、各市町における公的防災備蓄の方式(集中型・分散型)や種類と量、発災時の避難所における備蓄品提供の基準、自助・共助・公助に対する考え方、民間企業及び自治体間の応援協定、防災担当課の組織体制、個別避難計画の策定などについて情報収集を行った。 ヒアリングの結果、備蓄品の保管スペース、緊急時のアクセス(輸送道路など)、資金(予算)、想定される災害のタイプなど、自治体ごとに課題(制約条件)となっている状況が異なっていることがわかった。そのため、それらの条件によって公助として備えられる程度が自治体ごとに異なってくる。市民は、そうした状況を理解した上で、自助の程度を考えていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、公的機関へのヒアリング調査が後ろ倒しになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
・自助と公助・共助の関係についての論文をまとめる ・市町村レベルの備蓄データを収集・整理する ・追加のヒアリング調査を実施する
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Causes of Carryover |
ヒアリング調査が後ろ倒しになったことにより、計画全体が後ろ倒しになったため。 次年度にデータ収集のために支出予定である。
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