2020 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical analysis on international outsourcing and economic growth
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20K13503
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
斎藤 佑樹 中京大学, 経済学部, 講師 (90844910)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経済成長 / 研究開発 / 海外アウトソーシング / 中間財貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、海外アウトソーシングを含む中間財貿易と研究開発(R&D)活動に基づく経済成長についてのモデルを構築し、そのモデルを拡張することで金融政策や労働市場の不完全性が経済成長率や社会厚生に与える影響について分析を行うことである。 当該年度はベースとなる海外アウトソーシングを含む中間財貿易とR&D活動に基づく経済成長についてのモデルを構築し、ベースモデルに Cash-in-advance 制約を組み込むことで金融政策についての分析に使用するフレームワークを構築した。ベースモデルではともにR&D活動を行っている自国と外国の2国が存在し、自国から外国への生産過程の海外アウトソーシングが存在している。自国と外国のR&D活動による技術革新が経済成長の要因であり、両国の経済成長率は両国のR&D活動の度合いに依存している。 両国がR&D活動に従事する状況における海外アウトソーシングの増加が経済成長率に与える影響については、既存研究においては分析が行われていなかったため、まずはベースモデルを用いて海外アウトソーシングの増加が経済成長率に与える影響について分析を行った。分析の結果、自国から外国のへの生産過程の海外アウトソーシングの増加は (i) 自国のR&D活動を促進し、(ii) 外国のR&D活動を抑制し、(iii) 自国と外国の経済成長を抑制する可能性があることが示された。3つ目の結果は、自国と外国がともにR&D活動を行い、自国と外国の経済成長率が両国のR&D活動の度合いに依存していることによって得られた結果である。つまり、両国がR&D活動に従事するモデルを用いて海外アウトソーシング増加の効果を分析したことによって得られた新しい結果である。この研究に関しては論文を完成させ、研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に行ったことは以下の2点である。、 1. 海外アウトソーシングを考慮したR&D活動に基づいた経済成長モデルを構築し、海外アウトソーシングの増加が経済成長に与える影響について分析した。分析の結果を論文にまとめ、研究報告を行った。 2. 金融政策についての分析を行うためのフレームワークとして、海外アウトソーシングを含む中間財貿易と研究開発(R&D)活動に基づく経済成長についてのモデルに Cash-in-advance 制約を組み込んだモデルを構築した。 当初の予定では、金融政策についての分析に使用するモデルを構築し、構築したモデルを用いた金融政策についての分析を完了する予定であった。当該年度ではモデルの構築までしか行えなかったため、研究がやや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 海外アウトソーシングの増加が経済成長に与える影響についての分析結果をまとめた論文を学術雑誌に投稿する。 2. 金融政策についての研究に関しては構築したモデルをベースに分析を行っていく。ある程度結果が得られたら、論文として執筆し、研究報告を行っていく。 3. 労働市場の不完全性についての分析に使用するモデルを構築する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた、定量的な分析を行わなかったため、分析のために必要であった計算ソフトを購入しなかった。その結果、次年度使用額が生じた。次年度に定量定な分析のために計算ソフトを購入予定であるため、その購入費に充てる。
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