2020 Fiscal Year Research-status Report
Measuring Labor Market Dynamics of Global Value Chains
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20K13504
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢根 遥佳 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (40794574)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際貿易と労働市場 / グローバル・バリューチェーン / 計算可能な一般均衡モデル / 確率的生産フロンティア分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際貿易の発展によりこれまで世界経済は大きく変化してきた。近年,国際貿易の形態が変化しつつある。自由貿易主義から保護主義的政策への転換が見られたり,財やサービスの生産過程の世界的な拠点分散化が進んだりするなど,国際貿易が変化することによって,すべての人々の生活に引き起こされる影響をより的確に計測することは,重要性を増している。当該年度の成果は二つに分けることができる。一つは,計算可能な一般均衡(CGE)モデルを用いて貿易戦争が労働市場に与える影響を測ったものである。この研究の意義は,保護主義政策の数ある効果の中でもとりわけ労働市場に着目し,そこで起こりうる影響を推計したことにある。結果,世界レベルでは低スキル労働は0.02%,高スキル労働は0.54%縮小されることが示された。この成果は,二つの国際学会で研究発表を行い,Ritsumeikan Annual Review of International Studies (RARIS) Vol. 19に出版した。もう一つの研究成果は,国際貿易,とりわけ各国・地域のグローバル・バリューチェーン(GVC)への参加度に着目し,技術効率性を計測したものある。本研究では,一面的に国際貿易の技術効率性を測るのではなく,GVCへの参加の度合いが技術効率性にどう影響を与えるのかを推計したものである。さらに,労働市場の多様性を反映するため,スキル別に労働を考慮することをモデルに組み込んだところにも意義がある。結果,平均技術効率性は0.86と,比較的高いことが分かった。また,中国の技術効率性は平均以上である一方,日本と米国はそれ以下であった。これらの研究結果は,国際学会で研究発表を行い,立命館国際研究33巻4号に出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大を受け,データ・資料収集は中止,また,参加を予定していた国際学会も次々と延期となり,計画をしていた研究交流がかなわなかったため,当初の計画よりやや遅れるものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大を見極めたうえで,今後もいつデータ・資料収集を行い,学会や研究会等で効果的な研究交流を行うかをはかっていきたいと考える。どうしても不確実な要素が多く,現段階では先の見通しが立たない部分もある中,現在手元にあるデータセットをもとに技術効率性の推計を発展させて研究を継続していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により,旅費と人件費の執行ができなかったため。 次年度は,前年度の分も含めて,重点的に旅費と人件費に執行する予定であるが,依然として感染拡大が起こっており,5月末まで緊急事態宣言が延長されているため,不確定要素が高まっているのも事実である。そこで,こうした状況がもし続くならば,物品費等,研究設備の充実に再配分せざるを得ないかもしれない。
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Research Products
(5 results)