2021 Fiscal Year Research-status Report
Measuring Labor Market Dynamics of Global Value Chains
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20K13504
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢根 遥佳 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (40794574)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際貿易 / 全要素生産性(TFP) / 技術変化 / 確率的生産フロンティア分析(SFA) / 技術非効率性 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際貿易の発展によりこれまで世界経済は大きく変化してきた.近年,国際貿易の形態が変化しつつある.自由貿易主義から保護主義的政策への転換が見られたり,財やサービスの生産過程の世界的な拠点分散化が進んだりするなど,国際貿易が変化することによって,すべての人々の生活に引き起こされる影響をより的確に計測することは,重要性を増している.当該年度の成果は三つに分けることができる.一つ目は,独占的・寡占的な公営・民営の垂直分割可能な企業ネットワークの理論的分析を行った.この成果は,Annals of Public and Cooperative Economicsに出版した.二つ目の研究成果は,最新のデータベースと分析用ソフトウェアを整備し,世界40ヵ国の技術変化および生産性を計算し,変化を分析したことである.この成果は, Ritsumeikan Annual Review of International Studies (RARIS) Vol. 20に出版した.三つ目の研究成果は,確率的フロンティア分析(SFA) モデルを用いて1995年から2007年までの40ヵ国の技術効率性を推計したことである.この技術効率性とさらに技術変化と規模の効果も推計することにより, 全要素生産性 (TFP) を計算した.固定効果を考慮したモデルの下で効率性効果モデルを用いることで環境変数 z を考慮した結果,資本・労働比率が高い国のほうがより効率性が高くなることが分かった.日本でも技術変化と技術効率性の成長率は比較的高く,その結果としてTFP成長率も高いものの,規模の効果の成長率は低いという結果が得られた.この研究結果は,立命館国際研究34巻4号に出版した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は,産前・産後休業および育児休業をとっており,本研究課題の進捗は滞った.さらに,前年度から引き続き,新型コロナウィルスの感染拡大を受け,データ・資料収集は中止,また,参加を予定していた国際学会も次々と延期となり,計画をしていた研究交流がかなわなかったため,当初の計画よりやや遅れるものとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大を見極めたうえで,今後もいつデータ・資料収集を行い,学会や研究会等で効果的な研究交流を行うかをはかっていきたいと考える。どうしても不確実な要素が多く,現段階では先の見通しが立たない部分もある中,現在手元にあるデータセットをもとに国際貿易と労働市場の関係性に関する推計を発展させて研究を継続していきたい。
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Causes of Carryover |
2021年度から,産前・産後休業および育児休業をとっているため.さらに,新型コロナウィルスの感染拡大により,旅費と人件費の執行ができなかったため.育児休業が明け,新型コロナウィルス関連の規制が弱まり次第,重点的に物品費,旅費,人件費に執行する予定である.前年度および前々年度に進行している研究成果の国際学会発表も行える状況になったら,それに係る諸費用も執行する.
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Research Products
(4 results)