2023 Fiscal Year Research-status Report
Measuring Labor Market Dynamics of Global Value Chains
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20K13504
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢根 遥佳 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (40794574)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際貿易 / グローバル・バリューチェーン(GVCs) / 労働市場 / 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) |
Outline of Annual Research Achievements |
国際貿易の発展によりこれまで世界経済は大きく変化してきた。2015年から2019年までの日本の文化GDPおよび文化の貿易の推計を行い,そのデータを用いて,因果関係を推計した。まず,産業連関表,財務省の貿易統計および日本銀行の国際収支統計を使用して文化の輸出入を推計した。この推計結果を用いて,パネルベクトル自己回帰(VAR)モデルを基にグレンジャー因果性テストや一般化モーメント法 (generalized method of moments,GMM)も用いて,これらの変数間の因果関係を調べた。結果,文化の経済成長が文化の輸出を牽引することが示唆された。 これからさらにデータベースを拡張し,国際貿易,グローバル・バリューチェーン(GVCs),そして労働市場の関係性を推計・シミュレーションしていく。近年,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大をきっかけに本研究の進捗状況だけでなく国際貿易の形態もさらに変化しつつある。自由貿易主義から保護主義的政策への転換が見られたり,財やサービスの生産過程の世界的な拠点分散化が進んだり後退したり,貿易のデジタル化が発展するなど,国際貿易が変化し続けている。こういった変化によって,すべての人々の生活に引き起こされる影響をより的確に計測することは,必要性を増している。したがって, COVID-19などの影響の推計も本研究で明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年9月まで育児休業をとっており,本研究課題の進捗は滞った。さらに,2020年度から引き続き,新型コロナウィルスの感染拡大を受け,データ・資料収集は中止,また,参加を予定していた国際学会も次々と延期となり,計画をしていた研究交流がかなわなかったため,当初の計画よりやや遅れるものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大および自身の産後休暇・育児休業により当初計画していたが中断せざるを得なかったデータや資料収集を終わらせ,本格的な推計およびシミュレーションを行う。推計およびシミュレーション結果を学会や研究会等で発表し,国際的な学術誌に出版する予定。
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Causes of Carryover |
育児休業をとっていたため。さらに,新型コロナウィルスの感染拡大により,旅費と人件費の執行ができなかったため。重点的に大量のデータの推計およびシミュレーションに不可欠な物品費,旅費,人件費を執行する予定である。前年度および前々年度に進行している研究成果の国際学会発表も行える状況になったら,それに係る諸費用も執行する。
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