2021 Fiscal Year Research-status Report
The Effects of China's New Rural Pension Programs on the Labor Supply and Health Status of the Elderly
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20K13506
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陳 鳳明 東北大学, 経済学研究科, 助教 (30803051)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 新農保政策 / 労働供給 / 健康状態 / RDD分析 / 政策効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国で実施した新農保政策は中高年農民の労働供給及び健康状態に影響を与えており、人々の行動変容を引き起こす可能性が高いといわれている。多くの先行研究は新農保政策実施直後の効果に焦点を当てて、保険料を納めないあるいは少額の保険料のみ納めている農民を分析対象としていた。しかし、保険財政の持続可能性を考慮に入れ、新農保政策は長年にわたり年金制度に加入している農民への影響も明らかにする必要がある。 2020年度に引き続き、2021年度においては、北京大学の2018年の「中国健康及び養老追跡調査」(China Health and Retirement Longitudinal Study, CHARLS)のデータを用いて、 新農保政策は農村高齢者の労働供給に与える影響を分析した。回帰不連続デザインを用いた分析結果によれば、新農保政策は高齢者の労働供給に有意な影響を与えていないことが分かった。この内容を日本財政学会第78回研究大会で報告し、まとめた論文はTERG Discussion Paper として公開した。また、法定退職年齢の引き上げの効果を検証する共同研究(湯田道生氏、若林緑氏)の内容は医療経済学会第16回研究大会で報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って、研究課題(1)の内容をきちんと分析できており、研究結果も論文としてまとめた。これから国際誌の投稿を目指している。また、研究課題(2)についても文献レビューの作業に取り組んでいた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度から研究課題(1)の学術論文の投稿を行いながら、研究課題(2)の文献レビューとデータ分析を取り組む予定である。なるべく基礎的な分析結果を得ており、論文執筆の素材を準備する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が61円しかないため、ほぼ計画通りに予算を執行したといえる。 今年度より英語論文の校閲及び投稿を行う予定があり、関連支出を計上している。
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