2022 Fiscal Year Research-status Report
環境問題・環境政策が人的資本形成に与える影響とその経済的価値の評価
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20K13518
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
姜 哲敏 東京経済大学, 経済学部, 講師 (40818944)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 花粉 / 出生時体重 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、環境問題が人的資本の蓄積(主に子どもの健康)に与える影響を推定することである。 本年度は、「花粉の飛散と出生アウトカムとの関係」という新しい研究に着手した。分析のために、環境省花粉予測システム(http://kafun.taiki.go.jp/)より全国約120観測所における花粉濃度の観測データを入手し、観測所レベルのパネルデータを整備した。その後、観測所の所在地(市区町村)及び観測月をキー変数として人口動態調査の出生票と突合し、花粉濃度と出生時体重との関係を推定した。推定結果、花粉濃度の1標準偏差増加により、出生時体重が約15グラム減少することが分かった。また、妊娠期間別に推定を行ったところ、妊娠初期の1~3か月において最も影響が大きいことが分かった。 今後は、早産リスクや妊娠週数、低出生体重児(出生時体重2500グラム未満)の確率など、様々なアウトカムに対する効果を推定する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来の研究テーマが複数の研究に広がり、新しい研究に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
黄砂が韓国の子どもの健康に与える影響について現在も分析中である。この結果をまとめ、学会等で報告を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行のため、旅費を伴う出張が実施できなかった。現在、流行が収まりつつあると見られるため、次年度は旅費として使用する。
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