2021 Fiscal Year Research-status Report
消費者の誘惑と自制心を考慮した年金制度に関する研究
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20K13521
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Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
熊代 和樹 岡山商科大学, 経済学部, 講師 (30823124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自制心 / 年金 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 前年度に引き続き,理論分析を進めた。特に本研究課題の中心になる,世代重複経済の下での自制モデルの振る舞いを探っている。今後多期間生存する個人のモデルに拡張するための基礎になるので,慎重に分析を進めている。 2. 文献調査を行っている。本研究のベースとなるGul and Pesendorferモデルは発表から20年程度経過しているため理論的な研究はかなり蓄積されつつあるが,自制心の存在やその程度を定量的に分析する実証分析についてはそれほど数が多くない印象である。本研究の実社会への応用を見据えて実証分析にもアンテナを張り,最新の研究動向を探ることで研究の意義をより明確に説明できるようにする。 3. 現時点で得られた成果をまとめた論文を学術誌に投稿した。査読で受けたコメントを元に改定を行い,より質の高い論文にすることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行により授業の負担が増えているためやや進度が遅れているのが現状である。ただし現時点で得られた成果を再投稿する準備は整っているため,査読がスムーズに進めば次年度中には成果を出せる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して理論分析を進める。次年度中に二期間生存する個人による世代重複モデルの均衡を導出し,これまでのモデルとの政策的な比較を行う予定である。次年度後半ではこの基礎的なモデルのシミュレーションも並行して行う。 また,文献調査や学会への参加を通じて最新の研究動向をフォローするとともに現時点で得られている成果の国際学術誌への掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により参加を予定していた学会や研究会等がオンライン開催となり,旅費としての支出ができなかったため次年度使用額が生じた。 次年度は研究成果を公表する際の英文校正や投稿にかかる費用の他,日本経済学会やSWET(Summer Workshop on Economic Theory)などが会場で開催された場合の旅費として使用する予定である。
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