2022 Fiscal Year Research-status Report
高頻度金融データを用いた日中小型株効果の変動要因分析
Project/Area Number |
20K13527
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
岩本 菜々 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 助教 (20825509)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 小型株効果 / 高頻度データ / 流動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業規模と超過リターンとの関係を表すアノマリーである小型株効果の日中変動を高頻度株式データにより示し、その変動要因を複数指標により確認することを目的とする。 先行研究において小型株効果は日中株価変動にて発生すると示されたが、四足値の使用に限られる場合がほとんどである。そこで本研究では、分足リターン、リスク指標、ボラティリティや経済指標にくわえ、取引量、bid-ask spreadなど複数の分足流動性指数を用いた、相関・回帰分析を行う。データはニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に持つインターコンチネンタル取引所(ICE)が提供する、2017年から2020年のDaily TAQ(Trade and Quote)であり、NYSE上場全個別銘柄を対象としている。 本年度は、昨年度末に開催された日本金融・証券計量・工学学会の全国大会における自身の発表に対するコメントを踏まえ、分析手法に関する関連研究の精読およびデータの再集計を行い、複数条件下におけるより詳細な分析を行った。具体的には、分析に用いる流動性指標の種類を増やし、かつ、昨年度まで時価総額別に銘柄を3分位に分け、時価総額加重平均ポートフォリオを作成していたものを、5分位や10分位とするなど、より詳細な検証を行った。くわえて、研究の途中成果をファイナンス関連の研究者が集まる研究会で報告し、今後の研究に関する貴重なアドバイスを得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小型株の挙動とその時間変動要因をより明確に捉えるため、関連論文など周辺知識の精査やデータの再集計、異なる条件下における検証等を行ったが、想定以上の時間がかかったため、当初の計画よりも遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
より詳細な小型株効果の時間変動要因について検証し、関連する学会や研究集会等での研究発表と学術誌への論文投稿を行う。
|
Causes of Carryover |
英語校正、論文投稿を行う計画であったが作業が遅れたため来年度使用額が生じた。
|