2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K13534
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Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
渡辺 寛之 岡山商科大学, 経済学部, 講師 (70740281)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 金融経済教育 / 金融リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに高校生や大学生などの若年層を対象として金融リテラシーに関するアンケート調査をおこない、書籍や学術雑誌に論文を投稿してきた。研究成果としては、それらの論文三編と最終年度から継続して執筆中の論文の計四編である。 このような研究活動に加えて、同テーマに関する学会報告の討論者を務めるなどの学術的貢献活動をおこなった。なお、最終年度は「学校における金融経済教育」という包括的なテーマに基づき、これまでの研究を総括するための研究に取り組んでいる。 生徒や学生を対象とした金融教育に関する研究を進めていく中で、生徒や学生にとって十分に金融経済教育が施されたとは何かという問題に直面する。最低限必要な金融リテラシーが何かという問題については、ある程度合意が可能であるとしても、十分に金融リテラシーが身についているということが何を意味するのかは難しい問題である。リスク回避度や時間選好率は個人間で異なるし、自分の将来のことを考えたり物事を論理的に考えたりすることによって現在の自分の行動に制約が課されるという事から生じる苦痛の多寡も個人で異なるためである。 生徒や学生を金融トラブルから保護するという教育上の重要性だけに留まらず、自由な金融経済活動が認められ自己責任を原則とする社会において、生徒や学生個人が有する性格的な傾向に対して政策がどこまでコミットすべきなのかという問題を検討することも重要な論点であるということが議論された。
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