2023 Fiscal Year Annual Research Report
女性活用と投資家の関心:なでしこ銘柄と新規株式公開企業を中心に
Project/Area Number |
20K13535
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
笵 鵬達 立命館大学, 経営学部, 准教授 (60847391)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 女性役員 / ESG / 二酸化炭素 / 三方よし / 機関投資家 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度において、国際学術誌に二本の論文が掲載されました。その一つは「Journal of Behavioral and Experimental Finance」(SSCIカテゴリーに属するハイインパクトジャーナル)に、もう一つは「Journal of Climate Finance」に掲載されました。以下に、それぞれの研究内容の要約を示します。①機関投資家の所有構造と炭素排出量の関連性についての研究。本研究では、日本の上場企業における外国及び国内機関投資家の所有構造が炭素排出量に及ぼす影響を分析しました。特に外国機関投資家の持ち株比率が高い企業では、炭素排出量が顕著に少ないことが明らかになりました。これは外国投資家が環境基準の厳格な適用に寄与していると考えられます。一方、国内機関投資家の持ち株比率と炭素排出量の間に有意な関連は見られませんでした。②三方よしの経営哲学とESGパフォーマンスの関連性についての研究。日本の伝統的な経営哲学である三方よしが企業のESGパフォーマンスに与える影響について検討しました。三方よしの哲学に影響を受けたトップマネジメントを持つ企業は、優れたESGパフォーマンスを示しました。この研究結果は、企業の持続可能性に対する長期的なコミットメントと文化的価値観がいかに重要かを示しており、日本企業のサステナビリティ戦略と文化的要因の重要性を強調しています。 研究期間全体を通じて、6本の論文(うち5本が国際学術誌)をパブリッシュし、SSCI2本、ESCI2本を含みます。また、Japan Finance Association-PBFJ Special Issue ConferenceでBest Paper Awardを受賞しました。国内外の学会で8回の発表を行い、期待以上の成果を挙げることができました。
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