2023 Fiscal Year Research-status Report
近世日本村落社会における労働力移動と複合的生業構造の社会経済史的解明
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20K13537
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 テイテイ 東北大学, 経済学研究科, 特任助教 (60803046)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 資料調査 / 資料撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度中に、コロナと産休・育休の影響で中断された、長野県市立博物館に所蔵されている小林家文書の資料調査と撮影を再開しました。2024年1月26から1月28日(2泊2日)、と2024年3月8日から10日まで(2泊2日)の間で、長野県市立博物館に所蔵されている小林家文書の戸口、村政、年貢・課役関係文書を中心に撮影作業を行いました。未撮影の資料はまだ数多く残されているが、引き続き、撮影作業を行う必要があります。 上記の作業と同時に、手元の撮影済みの資料の解読・分析を行いました。それに基づいて、信州旧川中島今井村の人口データベースを補填しました。それで分かったことは、当村の人口動態について、享保16(1731)年から明治6(1873)年までの142年間にかけて、今井村の人口は順調に増加していたことである。しかし、その増加の様子は全期間にわたって一様であったわけではなく、最初の46年間の第Ⅰ期(1731~1777年)は急増で、次の47年間の第Ⅱ期(1779~1826年)は順増し、そして最後の46年間の第Ⅲ期(1827~1873年)は停滞と特徴づけることができ、それぞれの時期で異なった様子を呈しています。今井村において「宗門帳」が残されている享保16(1731)年から明治6(1873)年にいたる時期においては、総体としての人口動態(増加)の趨勢を支えていたのは、人口の自然増ではなく、周辺村落からの労働力の移入であったと確認できました。 それらの内容を含め、来年度中に論文の形にまとめ、投稿しようと計画しています。また、国内での研究会と学会で研究成果を報告しようと考えております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産休・育休のため、9ヶ月を休みました。その後も、子育てのため、研究はやや遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、長野県市立博物館に所存されている小林家文書の資料調査と撮影作業を行います。そして、今までの資料解読と分析に基づき、論文をまとめます。できれば、国内の研究会や学会で研究成果を報告します。
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Causes of Carryover |
産休・育休のため、研究期間延長をいたしました。学会報告、論文作成、資料調査に使いたいと思います。
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